独立行政法人日本原子力研究開発機構：JAEAメールマガジン　No.336

■■■　　JAEAメールマガジン　　■■■

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2014.08.22／No.336━━

＊今週のPick Up＊

〔トピックス〕・・・Project JAEA「海水中のリチウム資源回収技術の確立―ゼロエミッション
のリチウム工場を目指して―」を掲載

〔プレスリリース〕・・・世界最高性能の核融合炉燃料プラズマ加熱用マイクロ波源を開発

〔イベント〕・・・「イノベーション・ジャパン2014」、「RADIEX2014」に出展

〔現場から〕・・・地磁気と地電流を使って地下を調べる技術の開発

＝　お知らせ　＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

【トピックス】

Project JAEA「海水中のリチウム資源回収技術の確立―ゼロエミッションのリチウム工場を
目指して―」を掲載

http://www.jaea.go.jp/atomic_portal/jaea_channel/

「Topics 福島」（第51号）を発刊

http://fukushima.jaea.go.jp/magazine/pdf/topics-fukushima051.pdf

【プレスリリース】

原子力機構週報（8月9日～8月22日）

http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14082201/

世界最高性能の核融合炉燃料プラズマ加熱用マイクロ波源を開発

－2つの周波数で長時間高出力を実現－

http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14082101/

人事異動〔平成26年8月18日付〕

http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14081801/

固体廃棄物前処理施設(WDF)のパッケージエアコンの火災に関する報告書の提出について

http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14081201/

【報告会・シンポジウム】

第599回高崎研オープンセミナーを開催します（9月12日）

テーマは「放射線化学とその有機機能材料への応用」
参加申し込みは下記をご覧ください。

http://www.taka.jaea.go.jp/information/open_seminar/599/599_info.pdf

第9回高崎量子応用研究シンポジウム」を開催します（10月9日、10日）

テーマは「陽電子ビーム利用研究の現状と展望」及び特別セッション「高崎研が取り組む
国際協力」

http://www.taka.jaea.go.jp/information/index_j.html

【イベント】

「イノベーション・ジャパン2014」に出展します

原子力機構における産学連携関連事業の紹介をします。

○複合型光ファイバースコープを用いた医療研究の紹介

○先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業「明日を創り、暮らしを守る量子ビーム
利用支援事業」の紹介

日時：9月11日（木）～9月12日（金）　※11日は9：00～17：30、12日は10：00～17：00

場所：東京ビッグサイト

http://www.ij2014.com/（外部リンク）

「RADIEX2014」に出展します

原子力機構で行っている福島の環境回復に向けた取組について紹介します。

日時：9月24日（水）～9月26日（金）　10：00～17：00

場所：科学技術館

http://www.radiex.jp/（外部リンク）

　【見学会】

瑞浪超深地層研究所、幌延深地層研究センターで見学会

参加無料ですので是非ご参加ください。

瑞浪　http://www.jaea.go.jp/04/tono/kengaku/kengaku_miu2.html

幌延　http://www.jaea.go.jp/04/horonobe/kengaku_sunday.html

＝　現場から　＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

地磁気と地電流を使って地下を調べる技術の開発

　放射性廃棄物の地層処分に際しては、将来にわたって断層運動や火山活動が生じるおそ
れのない安定な地域を選定する必要があります。このような自然現象の発生には、地下深い
場所に潜むマグマなどの流体が重要な役割を果たしているということが、最近の地球科学の
研究によって分かってきました。私たちは、地下の深い場所にマグマや流体が存在するか
否かを確認するための調査技術の開発に取り組んでいます。

　地下の状態を調べるための方法はいくつかありますが、その中でも、流体の分布を捉える
ことが得意な探査手法として、地磁気・地電流法があります。この方法では、自然界の微弱な
磁気と電位の変化を観測・解析することによって、地下数十kmまでの比抵抗（電気の流れ
やすさ）の分布を推定することができます。これによって、ボーリング調査などで直接みること
ができない地下深部であっても、マグマなどが存在すると考えられる地下の電気の流れやす
い場所の位置を調べることができます。

　しかし、この方法には、電気的なノイズが多い鉄道や送電線の近くでの調査には不向きであ
るという弱点があります。このような場所で観測されたデータには、強い人工ノイズによって
微弱な自然の信号がかき消されてしまい、これまでの方法では精度の良い解析をすることが
できませんでした。このことは、人工ノイズ源の多い国内での適用を制限する主な要因と
なっており、これを改善するための技術開発が望まれていました。

　そこで私たちは、観測した磁気と電位に混入する人工ノイズを取り除き、自然の信号を取り
出すための新しい方法を開発しました。また、実際にこの方法を使って、2000年に発生した
鳥取県西部地震の震源域を対象に観測を試みたところ、地下深部に潜むマグマを検出し、
それが大地震の発生に深く関与していることを示すことにも成功しました。

今回開発した技術については、その有効性などが認められ、平成26年度物理探査学会
事例研究賞を受賞することができました
（http://www.jaea.go.jp/04/tono/miu_news/tisouken_news2606.pdf）。また、市街地など人工
ノイズが多い地域であっても、高い精度で深部地下構造を明らかにできると期待されていま
す。今後も、更なる研究開発によって、より正確に地下の状態を調べることができる方法の
開発に取り組んでいきたいと考えています。