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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2013.8.2／No.284 ━━━

〔現場から〕福島県内のため池底部の放射線分布の測定について（福島環境安全センター）

〔東日本大震災発生に伴う対応状況〕

〔お知らせ、採用情報、調達情報〕

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福島県内のため池底部の放射線分布の測定について

福島県内の農業用ため池底部に放射性物質がどのくらい蓄積されているのかは明らかになっていません。ため池底部の放射線量を測定するためには、水底の泥のサンプルを採取し、それを分析所等でゲルマニウム半導体検出器等を用いて測定する方法が主流ですが、サンプリングと測定に手間がかかることが課題となっており、迅速に広域を測定できる手法が求められています。
　福島環境安全センターでは、十数か所のため池をモデルとして、様々な手法により水底の放射性物質濃度を直接測定する方法を確立し、底部のモニタリング手法の標準マニュアル化に取り組んでいます。
　水中の放射性物質を直接測定する手法としては、陸上を広範囲に測定するために開発したPSF（プラスチックシンチレーションファイバー；光ファイバーを利用した測定器）とスポット的に高精度の放射能測定ができるよう新たに開発したJ-SubD（水中ガンマ線スペクトロメータ；検出部に高分解能のLaBrシンチレーション検出器を使用）を組み合わせて測定する方法をとっています。PSFで広範囲の測定を、J-SubDでスポット測定を行い、ふたつの測定値を比較することでデータを補正し適正化することが出来ます。
　更なる測定精度向上のため、今年度は下記の3つを検討課題として取り組んでいます。
　　　①水底に人工構造物があるような場所や起伏の大きい場所等では、PSFが池底に密着しないため、測定値が過小評価になる可能性があるので、水底への密着性の確保方法について検討。
　　　②より多くの土壌サンプリングとの比較、含水率及び深さ方向の放射性物質の分布についての考察が必要。更に、土壌の水分量のデータを採取し、Bq/kg-dryで評価する方法を検討。
　　　③高精度な位置データ取得技術と組み合わせることにより、同じ場所が何度でも測定可能になることから、測定の効率化及び放射線分布の経時変化傾向の把握。
　この調査によって確立された測定方法が、今後、効果的なため池の除染計画を進める上で、農家や県民の方々に役立つことを期待しています。
　これらのため池調査の様子は、福島技術本部の広報誌“Topics福島”からもご覧いただけます。（ http://fukushima.jaea.go.jp/magazine/pdf/topics-fukushima027.pdf ）

（福島技術本部　福島環境安全センター　　森　英治）