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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2013.5.31／No.275 ━━━

本日5月31日、閣議後の記者会見において、下村博文文部科学大臣より、松浦祥次郎新理事長任命（6月3日付）の閣議了解があったことが発表されました。

〔現場から〕ワシントン事務所の業務紹介（国際部）

〔東日本大震災発生に伴う対応状況〕

〔お知らせ、採用情報、調達情報〕

＝　現場から　＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

ワシントン事務所の業務紹介

今回は、ワシントン事務所の業務について紹介します。
　ワシントンDCは言わずと知れたアメリカの首都であり、ホワイトハウスや米国議会議事堂、行政機関をはじめ、世界各国の大使館や国際機関の立地する国際色の豊かな街です。また、世界でも最も貴重な収集品を持つ博物館の一つであるスミソニアン博物館やワシントン・モニュメント、リンカーン・メモリアルなど数多くの観光スポットがあります。原子力機構のワシントン事務所は、そのワシントンDCの中心部にあり、米国政府や関係機関との連絡・調整や米国やカナダの原子力事情に関する情報の収集や発信の業務を担っています。
　 2013年1月、オバマ第2期政権が発足しました。オバマ大統領は第1期の就任以来、原子力を二酸化炭素の排出を増やさずに電力需要に対応できるクリーン・エネルギーとしてエネルギー政策の柱と位置づけています。一方で、昨今の米国のエネルギー政策では、シェールガスの採掘技術の進展による天然ガスの確保が、アメリカのエネルギー資源の状況を大きく変革するという見通しを持っています。再生可能エネルギーへの取り組みとともに、シェールガスの確保により、2016年にはエネルギー輸入国から輸出国への転換をはかるというアメリカのエネルギーを巡る状況はとても興味深く、今後も目が離せません。
　また、原子炉の安全対策に関しては、東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故を受け、NRC（原子力規制委員会）が産業界の意見を聞きつつ、規制を検討しています。最近では、原子炉へのフィルター付きベント設備の設置命令を行うかどうかが議論の一つとなっていましたが、特定の設備を義務付けるよりも、そのような手段も含めた安全対策についての規則を4年以内に作成することとなりました。
　その他にも基礎研究やバックエンド対策、核不拡散など日米の共通する目標や課題に向けた取り組みが行われており、ワシントン事務所では原子力機構の広範な業務について、新たなことを勉強しつつ業務に取り組んでいます。
　そのような中、実際にアメリカで業務をしてみて個人的に感じることがあります。それは、こちらの行政機関のスタッフや研究者と直接に会って話をすると、多くの人がアメリカは世界のリーダーであるべきというプライドを持っているということです。彼らが、そのことを直接的に口にするということは殆どありませんが言葉の端々や雰囲気に、何気なく、自分達の国家はあらゆる分野で世界をリードする国であるという自負を感じます。そのこと自体の評価は難しいところですが、そのようなメンタリティーがアメリカという国を強く支えているのだろうと思えるのです。
　今後も、現地にいてこそ感じられる感覚を大切にして、原子力分野における日米の関係の発展に寄与できるように業務に努めてまいりたいと考えております。

（国際部）