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JRR-3の新規制基準適合確認への取り組み状況について

平成27年10月23日

平素よりJRR-3施設供用に対して格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

JRR-3では、既にお知らせしたとおり、平成23年3月の東日本大震災以後、被災箇所の補修、全施設の健全性確認を平成25年2月までに終え、再稼働に向けて、昨年9月に試験研究炉の新規制基準への適合確認のための原子炉設置変更許可を申請しました。

弊機構といたしましては、JRR-3の再稼働の遅れが我が国の中性子を利用した学術研究や産業利用及び人材育成の停滞を招いていること、また、利用者の皆様からも早期再稼働が強く要望されていること等を重く受け止め、早期の再稼働を目指し、鋭意取り組んでいるところです。これまでに、原子力規制庁による審査対応として、約1回/週のヒアリングを通じて、申請者側から施設の安全性に関する説明を一通り終了し、現在、質疑応答により詳細の確認等を受けております。

前回の状況報告から10ヶ月過ぎており、多くの方々にご心配いただいていることから、このたび皆様方に審査の現状報告をすることといたしました。引き続き、JRR-3の再稼働に向けた取り組みに対し、ご理解賜りますよう、何卒お願い申し上げます。

<状況>

新規制基準では、従来に比べ、地震、津波、竜巻等の自然現象の想定が大幅に引き上げられるとともに、機器故障による事故等に関しても従来を上回る想定とその防護対策が求められています。これに伴い、これまでの審査においても、基準地震動や津波高さの評価について、その前提となる震源や地盤データの設定に対して、予想以上の厳密な論証が求められています。また、多量の放射性物質を放出する事故への対応について、これまでの想定を超える事故を想定することが求められています。これは今回新たに追加された基準であり、前例がないため、発電炉の例を参考にしながらも研究炉の特徴を考慮して事象想定の考え方について整理し、説明を行っています。

また、発電炉では統一的な審査ガイドが用意されているのに対し、試験研究炉の審査は、炉の型式、出力などが多種多様であることから、グレーデッド・アプローチ(リスクの大きさに応じた規制)の考え方のもとに、各炉それぞれの状況に応じて進められることとなっています。そのため、JRR-3に対しても、安全機能やそれが損なわれた場合の環境への影響の大きさを考慮しながら審査が行われており、現在、申請者側から施設の安全性に関する考え方を示し終え、質疑応答により詳細の確認を受けているところです。

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
原子力科学研究部門 原子力科学研究所
研究炉加速器管理部長 村山 洋二

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