深地層研究計画の状況

平成26年3月の調査研究の状況

平成26年3月28日(金)更新

湧水抑制効果確認のための透水性確認試験

平成24年度に、湧水抑制対策として、掘削前の350m調査坑道に対して250m調査坑道から低アルカリ性材料を用いたグラウト施工をしました。(図1)
 今回、施工したグラウトによる湧水抑制効果を確認するため、図2に示すグラウト改良範囲とその外側の岩盤の透水性を調べました。350m調査坑道から放射状にボーリング孔(図2、延長5m×5孔)を掘削し、各ボーリング孔内に写真1に示す装置を挿入し、透水性を調べました。その結果、グラウト改良範囲において湧水抑制の効果が発揮されていることが分かりました。
 今後も定期的に透水性を調べて、湧水抑制効果の時間的な変化について観測する計画です。

*1 グラウトとは…
 岩盤に孔をあけ(ボーリング)、水みちとなる岩盤の割れ目の中にセメントなどの固化材を圧入し充填することにより、湧水を止める技術のことです。)

図1 350m調査坑道 グラウト改良範囲

図2 350m調査坑道 断面図
透水試験用のボーリング孔の配置

写真1 透水試験装置をボーリング孔内へ挿入

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平成26年3月14日(金)更新

地下施設を利用したオーバーパック・緩衝材の施工品質の確証に関する研究
(原子力環境整備促進・資金管理センターとの共同研究)

350m調査坑道(試験坑道5)において、オーバーパック・緩衝材の施工品質の確証に関する研究( 2月21日トピックス掲載記事 参照)のための試験孔を掘削しました。オーバーパック材料の腐食試験用に1孔(直径55cm,深さ1.5m)、緩衝材の施工品質に係わる試験用に2孔(直径55cm,深さ60cm)を掘削し、孔壁や湧水の状況を調査しました。
 来年度からは、オーバーパック材料や緩衝材を設置して、施工品質の確証に係る各種試験を実施していく予定です。

写真1 試験孔掘削の様子

写真2 削孔後の試験孔内の様子

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平成26年3月7日(金)更新

長期モニタリング孔における水圧観測(冬のメンテナンス)

地表から掘削したボーリング孔を用いたモニタリング技術開発の一環として、地下水の水圧の長期モニタリングを実施しています。
 写真1は HDB-9孔 の水圧観測装置(MPシステム( 11月22日掲載記事 参照))のメンテナンスの様子です。2月から3月初旬の幌延町の積雪は1m以上あり、一部の現場は雪上車で向かいます。現場に到着したらボーリング孔周辺の雪をスコップで除いて、専用の滑車を取り付けた後、ボーリング孔の中に設置してある装置をケーブルウインチ(写真2)で引き上げます。

写真1 透水試験装置(孔内部)

写真2 挿入状況

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平成26年3月7日(金)更新

350m調査坑道における水分量計の設置

350m調査坑道(試験坑道3)のボーリング孔に水分量計を設置しました。
 この水分量計は、電磁波によって岩盤中の水分量の変化を計ります。地下施設のボーリング孔で水分量を直接調べる研究は世界的にも珍しく、今後は長期間のモニタリングにより、坑道近傍の掘削影響領域における水分量の変化の様子を調べる予定です。
 写真1は、ボーリング孔に設置する水分量計の全景。水分量計は分解した状態で運び、坑道内で組立てた後、写真2のようにボーリング孔底まで挿入し、先端のセンサーからの電磁波により水分量の変化を求めます。

写真1 水分量計

写真2 水分量計の挿入状況

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これまでにご紹介した調査研究の状況

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