深地層研究計画の状況

令和6年11月の調査研究の状況

令和6年11月29日(金)更新

換気立坑深度480mにおける地質観察

11月20日(水)に、掘削中の換気立坑深度480m(図1)において、露出している岩盤を対象に地質観察を行い、割れ目や断層の特徴や方向などを確認しました(写真1)。
 今回の観察では小規模な断層も観察することができ、断層内に鉱物が充填されている状態なども観察することができました(写真2)。今回の観察により得られた割れ目や断層の地質学的な情報や岩石および地下水試料は、今後、様々な施工・試験・解析に活用していきます。

地質観察を実施した位置

図1 地質観察を実施した位置
(11月21日時点での掘削済みの範囲を示しています)

底盤の地質観察の様子

写真1 底盤の地質観察の様子

小規模な断層の一例

写真2 小規模な断層の一例

令和6年11月29日(金)更新

国際会議「CouFrac2024」における幌延国際共同プロジェクトに関する
成果の発表

11月13日~15日の日程で、京都大学桂キャンパスにおいて、「第4回き裂性岩盤内における連成プロセスに関する国際会議(CouFrac2024)」が開催されました。この会議は、高レベル放射性廃棄物の地層処分やCO2の地中貯留、地熱探査といった地下空間開発事業において解決すべき課題である、熱、水理、力学、化学のそれぞれの現象が複雑に絡み合った場合の岩盤の挙動(連成挙動)について、世界の研究者間で知見を共有し、理解を深めることを目的としたものです。本会議は一般社団法人岩の力学連合会と国際岩の力学会が主催し、21の国および地域より269人の参加がありました。
 幌延深地層研究センターからは、幌延国際共同プロジェクト(HIP:Horonobe International Project)の成果として、500m調査坑道掘削時の周辺岩盤中の損傷(掘削損傷領域)がどの程度発達するかを予測した解析結果(タスクB)や、坑道を埋め戻した場合と埋め戻さない場合の掘削損傷領域の時間変化の違い(タスクC)について口頭発表を行いました。
 さらに、HIPの参加機関の一つである韓国原子力研究所の研究者から、500m調査坑道周辺の掘削損傷領域の発達に関する解析結果(タスクB)がポスターセッションにて報告され(写真)、解析の実施方法や解釈方法について国内外の専門家と議論しました。

ポスターセッションにおけるタスクBの成果発表の様子

ポスターセッションにおけるタスクBの成果発表の様子

令和6年11月22日(金)更新

幌延地圏環境研究所との第32回研究交流会を開催

幌延深地層研究センターでは、幌延地圏環境研究所(H-RISE)との研究協力の一環として、研究交流会を平成16年度から開催しています。11月13日(水)に、幌延深地層研究センター国際交流施設において、第32回の研究交流会を開催しました(写真)。
 幌延深地層研究センターからは、地下環境中に存在する有機物・微生物・コロイドの影響を考慮した物質移行試験についての発表を行いました。H-RISEからは、当センター地下施設の地下水中の微生物とバイオメタン生成に関する発表に加え、「鉱山現場で生じている災害事例と環境への影響評価」と題して北海道大学の富山眞吾客員教授から特別講演がありました。また、発表と併せて、今後の研究協力について意見交換を行いました。

研究交流会の様子

研究交流会の様子

これまでにご紹介した調査研究の状況

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