深地層研究計画の状況

幌延国際共同プロジェクト(HIP)

お知らせ

幌延国際共同プロジェクト(HIP)について

幌延国際共同プロジェクト(HIP:Horonobe International Project)は2023年2月に協定が発効したOECD/NEA*の協力を得て実施する共同プロジェクトで、日本をはじめオーストラリア、ブルガリア、ドイツ、韓国、ルーマニア、台湾、英国の11の機関の参加を得ています。

本プロジェクトは、2028年度末(令和10年度末)までを限度として実施します。なお、その遂行に当たっては、北海道および幌延町と締結している「幌延町における深地層の研究に関する協定書」を遵守します。

*:OECD/NEA(https://www.oecd-nea.org/)は、安全かつ環境的にも受け入れられる経済的なエネルギー資源としての原子力エネルギーの発展に貢献することを目的として、原子力政策、技術に関する情報・意見交換、行政上・規制上の問題の検討、各国法の調査及び経済的側面の研究等を実施しています。
(外務省ホームページ https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/atom/oecd_nea.html

HIPロゴ

幌延国際共同プロジェクト(HIP)英語版ホームページ

プロジェクトの目的

本プロジェクトは、アジア地域の地層処分に関わる国際研究開発拠点として、日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センターの地下施設を利用した研究開発を国内外の機関で協力しながら推進し、我が国のみならず参加国における先進的な安全評価技術や工学技術に関わる研究開発の成果を最大化することを目的としています。

プロジェクトの実施内容

本プロジェクトでは、国際的に関心の高い以下の項目(「 」内は「令和2年度以降の幌延深地層研究計画」の課題名)を行います。

タスクA:物質移行試験
(「実際の地質環境における人工バリアの適用性確認」)

亀裂性の多孔質堆積岩における処分場の安全評価に適用可能な、より現実的な三次元物質移行モデルを開発するために、原位置試験を通じて三次元物質移行モデルが試験結果を適切に予測できる能力を評価します。

タスクB:処分技術の実証と体系化
(「処分概念オプションの実証」)

処分場の操業に貢献しうる技術オプションの開発、および好ましい適性を有する岩盤領域に処分孔を配置するための基準の確立を通じて、処分坑道や処分孔を配置するための技術の体系的な統合を実証します。

タスクC:実規模の人工バリアシステム解体試験
(「実際の地質環境における人工バリアの適用性確認」)

(人工バリア性能確認試験で)既設の人工バリアシステムの解体を通じて、ニアフィールドにおける熱-水理-力学-化学連成プロセスをより詳細に理解し、熱-水理-力学-化学連成解析コードの妥当性確認とその更新を行います。

ボーリング調査の様子(物質移行試験)

ボーリング調査の様子(物質移行試験)

幌延国際共同プロジェクト(HIP)参加機関

幌延国際共同プロジェクト(HIP)協定書署名機関

国外参加機関の概要

・連邦放射性廃棄物機関(BGE: Bundesgesellschaft für Endlagerung mbH)
ドイツの連邦政府所有の組織であり、連邦政府の委託により放射性廃棄物の最終処分事業の実施主体として、高レベル放射性廃棄物処分場に係る三段階のサイト選定に加えて、建設および操業を行います。このほかに、コンラッドおよびモルスレーベンの非発熱性放射性廃棄物処分場やゴアレーベン鉱山に係る業務も実施しています。

・英国地質調査所(BGS: British Geological Survey)
英国政府の研究機関で、公共の利益に焦点を当てつつ、地球上で生じる様々なプロセスなどに関する地球科学的研究に加え、客観的な地球科学的データや情報の社会への提供などの活動を行っています。

・オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO:Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation)
産業支援、社会利益促進、国家的・国際的責任の遂行に貢献するための科学研究を目的として設立された国立機関であり、研究者トレーニング、研究結果出版、技術移転、科学技術に関する情報普及などを行っています。

・工業技術研究院(ITRI:Industrial Technology Research Institute)
台湾における応用研究と技術サービスを行う非営利の研究開発機関です。日本の様々な企業、大学と複数の国際共同研究などを行っています。

・韓国原子力研究所(KAERI:Korea Atomic Energy Research Institute)
政府出資の韓国で唯一の原子力分野全般に係る研究機関で、学際的な原子力研究開発を通じて、原子力の学術的進歩、エネルギー開発・利用の推進を目指しています。この一環として、使用済燃料の直接処分を対象とした輸送・貯蔵に係る技術開発や地下研究坑道を利用した研究開発などを進めています。

・原子力テクノロジー国営会社(RATEN:Regia Autonomă Tehnologii pentru Energia Nucleară)
ルーマニアの原子力エネルギー分野の研究開発の調整および原子力エネルギー計画の科学的・技術的支援を行うルーマニアの国有企業の研究機関で、放射性廃棄物管理を含む原子力分野の幅広い研究開発を行っています。

・国営放射性廃棄物会社(SERAW:State Enterprise Radioactive Waste)
放射性廃棄物管理施設の運営や廃止措置を含む、放射性廃棄物の処理、保管、処分に関わるブルガリアの国立機関です。

Copyright(C) Japan Atomic Energy Agency. All Rights Reserved.