第13章 廃止措置技術開発プロジェクトについて

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図13.4.2 廃止措置技術開発の概要工程

13.4.3 固有技術の開発
 
「ふげん」に特有の設備については、廃止措置に関する技術開発を実施し、解体開始に間に合うように廃止措置の準備を進める必要がある。この技術開発は、国内外の重水炉の廃止措置技術動向を踏まえて実施する。
(1)重水・トリチウム関連技術
 「ふげん」に固有の重水系設備の解体は、被ばく低減と作業効率向上の観点から、原子炉本体を含む系統全体の重水を回収したあと、機器、配管等に付着、残留する重水(トリチウム含有)をできるだけ除去して実施する必要がある。このため、諸外国の知見等を参照するとともに、重水精製装置を用いた試験により重水の回収手法、複雑な形状の機器に残留する重水量の評価手法、トリチウム除去技術等を開発し、重水系からの重水回収、トリチウム除去を行う。そのあと、残留トリチウム濃度等を評価し、重水系機器の解体計画を具体化していく。
 また、構造材の腐食生成物除染技術、構造材中のトリチウム濃度測定技術等の改良、高度化を図っていく。
(2)原子炉本体解体技術
 「ふげん」の原子炉本体は、224 本の圧力管(Zr-2.5 %Nb)とカランドリア管(Zry-2)、減速材の水を貯留するカランドリアタンク(ステンレス鋼)等から構成されており、軽水炉に比べて構造が複雑である。また、炉心構造材は、中性子による放射化が進んでいるため、遠隔・自動化による解体作業が必要となる。このため、原子炉本体を模擬したコールドモックアップ試験で、解体方法・手順を十分に検討し、切断技術、遠隔解体技術、解体物の把持技術、自動化技術等についての実用性等を評価する。また、開発した各技術を統合して、性能等を総合的に評価するとともに、安全評価用のデータも整備する。
(3)解体計画の評価技術
 圧力管型重水炉である「ふげん」の廃止措置計画の最適化を図るため、最新の計算機技術を用いて、解体手順、工法、工程等の比較検討を行う。検討にあたっては、作業量、被ばく線量、廃棄物量、コストの評価・最適化等のエンジニアリング全般を支援するシステムを、JPDR の解体試験で開発された


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