第12章 国際協力

帯

12


年3月〕と第10回〔昭和61(1986)年4月〕のJUICE会議として主催した以外は、2カ国間協力に戻った。開催されたJUICE会議と議題等を表12.1.1と写真12.1.1に示す。

参考文献
1)動力炉・核燃料開発事業団:“動燃十年史”、 P304|313,(1978)
2)動力炉・核燃料開発事業団:“動燃二十年史”、 p422|432,(1988)
3)動力炉・核燃料開発事業団:“動燃三十年史”、 p579|587,(1998)


12.2 AECLとの国際協力1)-3)
(1)技術情報の購入
 カナダ原子力公社(AECL)との接触は、国産動力炉開発が決定される直前の昭和38(1963)年5月、Dr. LewisとMr. HaywoodがCANDU炉の開発を説明するため日本原子力研究所を訪問した時に始まる。動力炉・核燃料開発事業団(以下、「動燃」という)が発足後、ATRに関する国際協力は、まず、動力炉開発臨時推進本部の評価を踏まえて、ATRの開発・設計に効果的なCANDU-BLW(カナダ型重水減速沸騰軽水冷却炉)Gentilly-1の技術情報を決定し、その購入・活用を行うことから始めた。昭和43(1968)年4月と同年12月にAECLから購入した技術情報は、次のものであった。
1次冷却系ブローダウン試験結果(22冊)
圧力管に使用するZr−Nb合金の評価
 ・非照射下の機械的特性試験(125冊)
 ・圧力管材料使用(8冊)
 ・圧力管とステンレス鋼管の機械的接合の評価(72冊)
Gentilly-1の安全評価書
(2)PNC-AECL協力協定の締結と経緯
昭和45(1970)年3月、大洗工学センターにおいてATR開発関係の4つの大型開発試験施設が相次いで完成し、各分野の開発試験が軌道に乗り、また「ふげん」の建設が決定された。これを受けて、昭和46(1971)年9月27日、「ふげん」の開発とCANDU-BLWの開発について“重水炉に関する情報交換と協力のためのカナダ原子力公社と動燃との間の協定”が締結された(写真12.2.1)。この協定により、炉物理、熱水力、安全性研究、Zr合金、燃料、計測制御の6 分野について、対等の協力が開始された。本協定は、5 年ごとに更新するものとなっており、包括的な国際協力を実行する上で状況に応じて適宜、対応できる配慮が払われていた。
 


写真12.2.1 PNC-AECL協力協定の調印式

 その後、CANDU-BLWが、大きな冷却材ボイド反応度・ボイド係数のために原子炉出力の不安定性を克服できず、対策として「ふげん」と同様、プルトニウム燃料(MOX燃料)を装荷することが必要と、AECLは評価した。これに伴い、昭和48(1973)年11月、AECLのGray 総裁と清成理事長の間で書簡交換が行われ、炉心関係と運転経験等に関する技術情報の交換は、Commercial Natureのものも含まれることになった。さらに、昭和51(1976)年3月31日の協定更新により、核燃料サイクルの公開技術情報も交換されるようになった。
 AECL は、CANDU-BLW型の天然ウラン専焼炉の開発を諦め、この開発プロジェクトを中止することになった。そして昭和56(1981)年9月27日、 PNC-AECLの協力協定も、「ふげん」の開発とCANDU-PHWの開発に関する技術協力に改められた。なお、本協力協定は、現時点で2006年まで延長されている。
(3)AECLとの技術協力
技術の主要事項に関する協力は、JUICE会議で行われたが、特定事項については、上記の協力協定の下に、その都度、個々に行われた。その主要な事項は次のとおりである。
Gentilly-1への技術者派遣
昭和46(1971)年9月27日、PNC-AECL協力協定が締結されたのを機に、CANDU-BLWの技術を実プラントで経験・伝承して「ふげん」に反映し、また「ふげん」の成果をCANDU-BLWに反映する構想が合意された。その結果、制御・計測関係2名、機械関係1名、炉物理・燃焼管理関係1名の計4名の技術者が、昭和47(1972)年4月から8か月間Gentilly-1に派遣された。
圧力管脆性特性に関するPNC-AECL研究協力



帯
501

前頁

目次

次頁