第9章 大洗工学センターにおけるATR研究開発

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図9.6.1 コンポーネントテストループ系統図

9.6  部品機器開発及びISI機器開発
(1)はじめに
 大洗工学センターにおける部品機器開発においては、ATR炉心のキーコンポーネントである燃料集合体、圧力管集合体及びシールプラブの健全性確認が、最も重要な課題であった。また、ISI機器開発においては、圧力管検査装置の開発が、主要な課題であった1),2),3)
 ATRの燃料集合体は、軽水炉燃料が四角配列になっているのに対し、円筒状の圧力管に収める関係上、同心円配列になっているなど異なる点が多い。ATRでは、実規模の高温高圧二相流のコンポーネントテストループを設置して燃料集合体の健全性確認を中心に次のような諸試験を行うことになった。
燃料集合体の耐久試験
圧力管集合体の耐久試験
シールプラグ等の重要部品機器の性能確認試験及び耐久試験
1次冷却系部品機器(入口管、上昇管、流量調整用オリフィス、燃料集合体等)の流動特性試験
1次系配管のエロージョン試験
 また、昭和49年に、圧力管モニタリング班が設置され、
圧力管モニタリング装置の作動試験
小型圧力管モニタリング装置の開発等が実施された。以下に「ふげん」に関係する部分


写真9.6.1 CTLテスト部

を主に取り上げながら、開発の経緯について述べる。
(2)コンポーネントテストループ(CTL)の概要
 CTLは、「ふげん」と同じ温度、圧力の水−蒸気の混合物を流して炉心の流動状態をそのまま模擬できるようになっている。CTLループ系統図を図9.6.1、CTLのテスト部を写真9.6.1に示す。ループ本体は、蒸気ドラム(直接式コンデンサー)、循環ポンプ、主冷却器、ミキサ(水−蒸気混合器)、蒸気圧縮機、テスト部、ボイラー(ループ熱源としての蒸気発生及



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