図8.6.5 SPLを基準にした漏えい位置の解析結果
が分かった。上記の空間誤差は、背景騒音変動に影響される。その解析時間は、領域3(6マイクロフォン)について1〜2分と評価され、全モニタリング領域についても、解析時間は、10分以内であると予測される。
図8.6.5のA及び図8.6.5のBの漏えい模擬音源を用いた試験データによる変数δijkの解析値は小さく、図8.6.5のCの背景騒音のみのデータによる変数δijkの解析値は比較的大きい。背景騒音データによるδijkは、マイクロフォン間のSPL値のランダム分布により得られるものであるため、漏えい位置の同定においては、背景騒音でのδijk及びPWLが、漏えい位置検出感度に大きくかかわっていることが分かる。

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図8.6.6 確率論的検出手法による試験
(3)確率論的検出手法(Probabilistic Detection Method)
標準的なアルゴリズムは、振幅検出を利用しており、その検出感度は、検出マージンの削減及び浮動検出しきい値を用いることにより改善できる。しかし、検出マージンを小さくすると、検出器が誤動作する可能性が大きくなるため、背景騒音変動の抑制及びアルゴリズムの信頼性を改善することが必要になる。確率論的アルゴリズムは、相対検出しきい値を使った確率論的検出基準を用い、これにより検出ミスの確率を低減することが可能である。
確率論においては、信号の観察時間間隔内における統計変動に基づき、確率論的検出基準が設定される。通常運転状態において、一定時間内の背景騒音信号群(データブロック)に対して、音響信号の2乗平均平方根を適用することにより、背景騒音を
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