第8章 「ふげん」における運転・保守技術の高度化

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図8.6.2 定常運転状態における放出PWL及びBGNスペクトル

数式(2)

 i:周波数バンド
 m:マイクロフォンナンバー
 rm:音源とマイクロフォン“m”間の距離
 LS:配管サポートでの伝達ロス

 高周波帯域において、より強い音波減衰の傾向は、レニングラード発電所及び「ふげん」で観察された。これは、ボックス内部の断熱材へ音波が吸収されるため、「ふげん」において、より顕著に減衰が観測された(図8.6.3参照)。冷却材の流れによる水力学的ノイズ、機械装置ノイズ(回転部品の振動ノイズを含む)を発生させる再循環ポンプ(RCP)及び冷却ファンは、背景騒音の主要音源である。
 図8.6.2に示すように、低周波数での背景騒音が優勢であることは、レニングラード原子力発電所及び「ふげん」において観測された。しかしながら、外部ノイズは、断熱材により減衰されており、「ふげん」のノイズレベルの周波数は、10〜20kHzであり、レニングラード原子力発電所と比べて約20dB低い状態にある。検出目標である漏えい量の検出は、低レベルの漏えい音圧及び著しい減衰のため、高周波帯域においてのみ可能であることを、解析値が示している。
 測定可能領域は、漏えい音圧レベルが、背景騒音よりも大きく、かつ漏えい信号が、容易に検出可能


図8.6.3 音波減衰解析結果


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