第8章　「ふげん」における運転・保守技術の高度化

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8
章


るFP保持等があげられる。
　格納容器破損に至る可能性のある事故シーケンスのうち、支配的なものはLOCA＋注水失敗、過渡事象（低圧及び高圧）＋注水失敗等があげられ、支配的な破損モードは、水蒸気による過圧破損及び燃料デブリによる過温破損である。
　過圧破損に対するAM策として、融雪装置による外部からの格納容器冷却の有効性評価を実施した。その結果、全体で約65％低減することが確認された。また、過温破損に対するAMとして、格納容器空気再循環系による格納容器雰囲気の冷却により、全体で約10％の低減効果を確認した。
　これらの知見により、シビアアクシデント時の効果的な事故緩和への対応が可能となった。
　放射性物質放出挙動評価から、蒸気放出プールでのスクラビング、上昇管での付着の効果、大型格納容器を有すること、管群構成のためFP付着効果が大きいことなどの特徴により、「ふげん」は、過酷事故時の放射性物質の放出を抑制する機能が高いことが確認された。
　停止時のPSAの結果、停止時における炉心損傷頻度は、定格運転時の目標値である10−5/炉年以下であるため、停止時においても十分に安全性を保っていることが定量的に確認された。
　さらに、停止時における炉心損傷頻度低減策として、重水冷却系による炉心冷却、同時期に実施してきた再循環ポンプ点検と変圧器点検の時期の見直し等が摘出され、それぞれの有効性が確認された。

8.5.7　おわりに
　「ふげん」の特徴、運転経験等を考慮した確率論的安全評価を実施することにより、プラントの安全性及び更なる安全性向上策の効果を定量的に評価した。
　その結果、「ふげん」が、過酷事故に対する高い
 安全性を有していることを確認した。
　その後、本検討で得られた知見に基づき、LivingPSAシステム、EOP教育・訓練システム等の運転支援及び保守支援を目的とした計算機によるシステムを開発し、プラントの安全性向上に反映している。

参考文献
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