定した。
(ホ)水蒸気による過圧
地下2階床上に冷却水があるシーケンスでは、挙動評価結果より、水蒸気による過圧破損に至る可能性が高いことを踏まえて設定した。
(へ)過温破損
地下2階床上に冷却水がないシーケンス及びカランドリアタンク内に燃料デブリが留まるシーケンスでは、挙動評価結果より過温破損に至る可能性が高いことを踏まえて設定した。
(ト)デブリ−コンクリート反応による過圧
地下2階床上に冷却水がない場合も、地下2階床上に広がった燃料デブリ表面の放熱効果により、デブリーコンクリート反応の進展がわずかであることを踏まえて設定した。
格納容器破損確率
格納容器破損確率を格納容器破損モード別及び炉心損傷シーケンス別に図8.5.6に示す。
図に示すように条件付き格納容器破損確率は、約0.08であり、目標である0.1以下を満足している。
なお、支配的な格納容器破損モードは、冷却水の蒸発による過圧破損である。これは、格納容器スプレイ系ポンプが、サポートシステムの故障に影響されることなく作動することができる自冷式であるためと考えられる。
また、LOCA+注水失敗シーケンスで重水冷却系が作動する場合及び過渡事象+スクラム失敗シーケ

|
|
ンスの場合は、圧力管内で事故が収束する可能性が高いが、過渡事象(低圧)+注水失敗シーケンスの場合は、格納容器スプレイ系及び蒸気放出プール冷却系による連合運転により格納容器内で事故が収束する可能性が高いことが分かる。
AM策有効性評価
格納容器内が蒸気雰囲気の場合のAM策として、格納容器上部に設置されている融雪装置を作動させ、格納容器を外部から冷却する方法を検討した。
その結果、水蒸気による過圧時に融雪装置を作動させると、格納容器内圧力及び温度が急激に低下することを確認した。本装置を評価において考慮した場合、水蒸気による過圧破損モードが大幅に改善され、格納容器破損頻度の約65%を低減することが可能と評価した。
一方、格納容器内が乾燥している場合のAM策として、格納容器空気再循環系による熱除去運転を実施する策が考えられた。本運転を評価において考慮した場合、過温による破損モードの改善が可能となるため、格納容器破損頻度の約10%を低減することが可能と評価した。
8.5.5 停止時PSA
(1)停止時PSA評価手法
起因事象及びその発生頻度の検討
原子炉停止時のPSAを評価するために、過去に実施された定期検査及び計画停止工程を基に標準工程

|