第8章 「ふげん」における運転・保守技術の高度化

帯

8


ション結果を表8.4.2に示す。
()パターン1:第7回定期検査(通常定検時)
()パターン2:昭和63年度計画停止
()パターン3:第8回定期検査(系統除染時)
 18ケースのシミュレーションを実施した結果、いずれも実際の作業と比較して、妥当な時間で作業が完了していること、取扱物品の移動時期や履歴に従来と比較して異常なものはなく、ネットワーク及びシステムに入力してある運用ルール等が妥当であることが確認され、燃料交換作業における本システムの適用性・有効性が検証できた。
(4)燃料交換作業支援システムの機能
 本システムは、主に燃料交換作業計画作成支援、運転・操作指令、帳票作成、シミュレーションの機能を持つ。
作業計画支援機能
 燃料交換作業を行う前に交換計画を立案し、この計画についての運用を行うとともに、終了時に作業結果を保存する機能である。
 作業計画支援における入力データは、炉心、燃料交換プール並びに燃料貯蔵プールにおける物品の状況、取出・装荷の対象となる物品及びその位置(座標)、取出・装荷の順序等である。
運転操作支援機能
 燃料交換作業中にΦNETにより演算された最適な運転操作指令を与えるとともに、作業の実績データをシステムに入力する機能である。また、各プールの状態及び移送設備の状態をCRT画面に表示する。
帳票作成機能
 本システムで作成する帳票には、以下の5種類がある。
)物品移動履歴
各物品の移動履歴を記した帳票である。
)貯蔵プール内物品移動作業指示書
貯蔵プール内の物品移送を運転員に指示するための帳票である。
)貯蔵プール内物品移動作業記録
貯蔵プール内の物品移送を物品ごとに記録する帳票である。
)燃料交換作業日誌
燃料交換機の作業を記録する帳票である。
)燃料交換作業記録
 炉心で交換される物品について、圧力管ごとにそれぞれの履歴データを記録する帳票である。
シミュレーション機能
 基本的な条件に基づいて、燃料交換作業全体の工程を作成する機能である。の作業計画支援機能においては、各燃料体番号等を具体的に指定し、物品番号まで指定した計画を作成するのに対して、本機能においては、交換する燃料集合体の数、シャフリング数、作業開始日時、作業中断時間、原子炉建屋入域モード等を指定するだけで、一連の燃料交換作業をシミュレートすることができる。
 シミュレーション結果は、燃料の取出・装荷の一工程ごとに一覧表示される。また、炉心、燃料交換プール、トランスファーシュート上部スイング・下部スイング、燃料貯蔵プールの5か所のポイントにおいて、各物品が出入する予定時間のシミュレーションができる。
(5)オフラインシステムの開発
 オフラインシステムは、発電所内の中央制御室に設置しているが、運転操作盤とは直結されていないため、本システムのガイダンスに基づいて、運転員が、操作を進める。運転員が、操作結果をシステムに入力することとした。
 本システムと燃料交換作業設備の関連図を図8.4.43に示す。
システム構成
 オフラインシステム構成は、以下のとおりである。
)エンジニアリングワークステーション(PFU・Σstation-230)
)20インチカラーCRT
)マウス
)キーボード
)レザービームプリンタ



図8.4.43 燃料支援オフラインシステムと
燃料交換設備の関連図



帯
389

前頁

目次

次頁