第8章 「ふげん」における運転・保守技術の高度化

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 本機能は、CRT画面から定期検査工事の発注単位ごと(作業コード単位)、点検項目(機器単位)ごとに過去の実績データの照会、確認するとともに、修正及び新規入力を行い、人工の見積計算を行う。入力項目は、積算に必要な技術者・作業者の職種、人数、実労働日数、出発地等である。
)積算総括表作成機能
 本機能は、人工見積デ−タ及びCRT画面からの積算に必要なその他の項目(監督費、安全管理費、放射線管理費、報告書作成費等)の選択または入力を行い、完了後は、積算処理して見積金額を算出する。
)一覧表作成機能
 本機能は、定期検査工事の積算管理全般の運用管理及び契約請求票に添付する積算根拠を作成するため、オンラインにて作成されたマスタファイルにより以下の帳票をプリンターで出力する。
・所要人日数積算表
・積算総括表
・積算内訳書等
システムの運用実績及び今後の課題
 本システムは、定期検査積算業務の合理化を目的として開発したシステムであり、1986年度の第6回定期検査の工事積算から利用を開始し、良好な運用を行っている。特に5社の定期検査工事積算は、点検項目数が膨大であったが、本システムの利用により瞬時に処理可能となり、積算作業の合理化及び精度向上を図ることができた。現在、本システムは、クライアント・サーバ化しており、定期検査工事の積算のみならず、日常の補助設備の定期検査、改造工事等にも利用している。
(4)定検工程管理支援システム
システムの概要
 定検工程管理支援システムは、定期検査工程の計画、工程表の作成、工程の進捗状況管理及び工程変更後の再計画等の処理を計算機化し、定期検査管理業務の効率化を図ったものである。本システムの特徴は、工程の割付にAIを適用し、専門家の知識・経験等のノウハウに基づいた工程計画の立案及び検証を行っていることである。また、工程の進捗状況管理においては、PERT手法を用いた汎用工程管理用ソフトウエアを用いている。
 図8.4.6に定検工程管理支援システムの機能構成を示す。
システムの機能
 本システムは、標準データ管理・工程計画・実績データ管理の3つのサブシステムより構成されている。
)標準データ管理サブシステム
 標準データ管理サブシステムは、「ふげん」の標準定期点検要領書の中から点検対象機器毎に標準の点検項目、作業項目、作業条件等を抽出して入力を行い、標準定期検査工程データベースの構築及び管理を行う。機能は、標準定期検査工程データベースを構築する標準データ投入フェーズ並びにデータベースに基いて一覧表等を作成する標準データ一覧表作成フェーズを有している。
)工程計画サブシステム
 工程計画サブシステムは、定期検査計画時に標準定期検査工程データベースから該当する点検項目等の工程データを抽出し、編集・追加等を行うとともに、各点検項目内の作業項目(作業工程)が有する

図8.4.6 定検工程管理支援システム機能構成図


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