第8章 「ふげん」における運転・保守技術の高度化

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図8.4.2 保守管理システムの開発工程

照会が可能である。
()「作業・故障管理システム」は、「ふげん」の日常の運転・保守作業の管理及び保守データを蓄積するシステムである。本システムは、設備故障及び作業管理に使用する故障票・作業票等の発行から報告及び管理の一連の処理を画面との会話処理により行い、設備管理・作業管理の充実及び業務の迅速化・合理化を図っている。本システムにより、日々変化する作業の実施状況及び故障の発生、処理状況等の把握が可能となるとともに、設備保守データの作成・蓄積が容易になった。
)「アイソレーション管理支援システム」は、発電所の点検作業等に必要なアイソレーション(隔離処理)管理において、計算機に入力された系統図・電源分割等データ(CAD)及び定期検査実績・作業分析等にて得られたアイソレーションリストの標準化データ等を用いることとしたものである。これにより、アイソレーション計画の作成・調整・確認の合理化、アイソレーションタグの発行・確認作業の迅速化・合理化及びアイソレーション実施状態の管理・確認の強化・充実が可能となった。本システムは、アイソレーション計画及び管理時のマン・マシンインターフェス(MMI)を良くするために系統図を利用したシステムである。
開発工程
 保守管理システムの開発は、昭和54(1979)年よ
り保守管理に関連した主要業務について計画的に進めてきた。主要な開発は完了しているが、本システムは、発電所の運転停止後も利用するものであり、今後、発電所運転・保守管理業務の変更及び計算機システムの利用環境の変化に伴う改良を行う必要がある。
 図8.4.2に保守管理システムの開発工程を示す。
計算機設備
 保守管理システムは、導入当初は、大洗工学センターの汎用計算機のリモートバッチ処理で運用していた。しかし、発電所の運転・保守管理業務の多くが計算機処理化され、昼夜の運用(24時間利用)、リアルタイムな処理、業務量・処理量の増加等リモートバッチ処理では充分な運用ができなくなり、昭和58(1983)年に所内に「運転管理用計算機」として汎用中型計算機を設置した。
 運転管理用計算機は、「保守管理システム」の各システムはもとより、炉心管理、運転管理、被ばく管理、化学管理、計量管理及び予算管理等「ふげん」の運転管理に必要な業務全般に利用されていた。
 その他、運転管理用計算機は、所内の各ミニコンと接続し、プラントのプロセス量、被ばく線量等オンライン・リアルタイムの蓄積・処理、並びに高速デジタル回線による全社ネットワークにより、事業所間のデータ交換を行うなど「ふげん」の中核をなす計算機であった。
 しかし、一人1台のパソコン利用、ネットワーク


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