第8章 「ふげん」における運転・保守技術の高度化![]() |
第 8 章 |
表8.3.6 「ふげん」原子炉冷却系におけるクラッド性状調査結果
|
![]() |
開発要素のあるHOP法を採用することとした。![]() HOP法は、図8.3.21に示すように、酸化除染剤に過マンガン酸カリウム、還元除染剤にシュウ酸及びpH調整剤(pH 2.5)にヒドラジンを使用し、酸化→還元→酸化→還元、または還元→酸化→還元の処理プロセスにより、付着酸化物を化学的に溶解する除染法である。 酸化剤の過マンガン酸カリウムは、還元剤のシュウ酸を添加することにより分解する。還元剤のシュウ酸及びヒドラジンは、触媒と過酸化水素により炭酸ガス、窒素ガス、水に分解する。 イオン交換樹脂の負荷量は、過マンガン酸カリウムの分解により生成されるマンガンイオン、カリウムイオンと配管内面付着酸化物から溶解した金属イオンであり、二次廃棄物の発生量の少ない除染法である1)。 ![]() 第14回定期検査時に、除染条件を確認するため、炉内より取り出した遮蔽プラグラッチ部連結ボルトを用いて、除染ステップ、除染剤濃度、除染時間をパラメータとした除染性能試験(ビーカー試験)を実施した。試験結果を表8.3.7に示す。酸化除染からはじめる2サイクル除染が、最も高い除染効果を得ることが分かった。さらに、ユニット型の除染試験装置を用いて、実機の除染液の温度変化、除染剤濃度変化を模擬した状況における、このビーカ試験で除染性能のよかった除染条件の昇温、酸化除染剤注入、酸化除染剤分解、還元除染剤注入、還元除染剤分解、浄化と一連の除染操作についての除染性能確認試験を行った。試験の結果を表8.3.8に示す。 |
この中で、最も高い除染係数DF20が得られた除染条件を採用することとした。![]() 材料健全性については、「ふげん」の原子炉冷却系構成材料の種類、異種材接触の有無、隙間の有無 |
![]() |
332 | ||
![]() |
![]() |
![]() |