第8章 「ふげん」における運転・保守技術の高度化![]() |
第 8 章 |
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図8.3.10 長期的な溶存酸素濃度の変化
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料を対象材料とした。試験の目的に合わせて試験片、試験方法、試験環境、観察項目、評価手法等を材料ごとに適宜選定し、炉外実験室及びインプラント試験装置を用いて、それぞれ約5年間にわたる材料試験を実施し、総合的な評価を行った。 ( ![]() 短期水素注入試験期間中は、時間的な制約を考慮して、短時間でSCC感受性が把握できるSSRT試験を採用した。前述のように試験期間中、試験部の溶存酸素濃度及び腐食電位を併せて測定し、環境とSCC感受性との相関を調べた。同試験により、鋭敏化SUS304材のSCC感受性は、溶存酸素濃度または腐食電位の低下とともに小さくなること、またSCCが認められなくなるしきい値若しくは腐食電位しきい値の存在を確認することができた。 一方、長期的な効果については、炉外実験室に設けた水素注入模擬環境と通常水質模擬環境中で実施した単軸定荷重(UCL: Uni-axial constant load)試験及び連続水素注入開始後のインプラントにおいて実施したUCL試験により確認した。試験結果を図8.3.11に示す。炉外試験においては、試験条件によって異なるものの最長のもので13,600時間、インプラント試験においては、7,000時間までのデータを取得した。その結果、水素注入模擬環境中及び実機水素注入環境中においては、いずれの試験片にもSCCによる破断は認められなかった。 これらのデータを元に、水素注入によるSCC感受性低減効果の定量的評価を、以下のように実施した。 UCL試験による個々の環境中における試験片の破 |
断寿命データを統計的に処理し、それらを水素注入の有無で比較することにより、水素注入で得られる寿命改善度を確認した。 |
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