第8章 「ふげん」における運転・保守技術の高度化![]() |
第 8 章 |
ん」に適用する試験計画を策定した。この計画では、約1年問の短期水素注入試験によって、水素注入による炉水中の溶存酸素濃度の低減効果、SCC発生防止に十分な溶存酸素濃度管理値の設定、並びにプラント運転に及ぼす影響を調査したあと、連続的な水素注入を行い、長期的な材料健全性評価及び水質の変動等を評価していくことを定めた。 |
によるプラント全体への波及効果を調査し、安全に水素注入を行うことができることを確認した。試験後半においては、低歪速度引張り試験(以下、「SSRT」という)を重点的に行い、SCCの発生を防止するための炉水中溶存酸素濃度を定めた。これと並行して、水素注入による水質変動の確認及び水素注入環境下におけるSUS304材の腐食電位の測定を行った。 ( ![]() 「ふげん」の水素注入に関する概略系統図を図8.3.4に示す。水素は、給水ポンプの上流側から給水系に注入され、蒸気ドラムを通り、原子炉冷却材とともに炉心部に流れ炉心部における水の放射線分解反応を抑制し、主蒸気中へ排出される。排出された水素は、非凝縮性ガスとして復水器からエゼクタで排ガス系へ導かれ、再結合器上流側から注入される酸素と再結合する。 ( ![]() 原子炉再循環系の下部ヘッダBより炉水を取水し、原子炉建屋内に設置したインプラント試験装置に通水して、各種の試験を実施した。インプラント試験装置に、炉水の水質測定機器、SUS304材の腐食電位測定を行うためのオートクレーブ及び六連式低歪率引張り機構を備えたSSRT用オートクレーブを設置した。 ( ![]() 水素注入量の変化により、給水中の溶存水素濃度が変化した場合の原子炉冷却系各部の冷却材中の溶存酸素濃度及び溶存水素濃度の変化を図8.3.5、図 |
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図8.3.4 水素注入時の系統構成 |
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