第8章 「ふげん」における運転・保守技術の高度化

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図8.2.4 通水温度の低温化による樹脂長寿命化効果

認試験を実施した。その結果を図8.2.4に示す。図に示すとおり通水温度を50℃から20℃に低温化することにより、約2倍の樹脂長寿命化効果が得られた。また、図8.2.5に示す通水温度に対する樹脂からのTOC(全有機炭素:樹脂が酸化分解され溶出した有機物の指標になる)溶出量確認試験の結果により、弱塩基性陰イオン交換樹脂(WA-21X)の溶出TOC量は、温度に比例して上昇することが判明した。
強酸性陽イオン交換樹脂(SKN-1)は、20℃では安定で、通水流量・過酸化水素濃度が変化しても溶出TOC量に変化は認められないが、50℃では過酸化水素濃度が増加するのにつれて、溶出TOC量が急激に増加しており、過酸化重水素による酸化作用は、温度に対する依存性が大きいことが確認された。
 重水温度の低温化が、過酸化重水素による酸化作用の抑制に対し大きな効果があるという。これらの




図8.2.5 通水温度に対する樹脂からのTOC溶出量


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