第8章 「ふげん」における運転・保守技術の高度化![]() |
第 8 章 |
用した。特に、初期の照射試験において、電子部品が通電状態の場合には誤動作やノイズの発生があることが判明した。以後、電子部品の照射試験は、通電状態で実施した。さらに、装置の完成後に、初期故障の排除を目的として、通電状態での照射試験〔1×103 Sv/h(γ線)×1時間〕を行い、健全性を確認した。
(8)検査装置の健全性確認 計画されたプラント停止期間内に、圧力管集合体の検査が確実に遂行できるように、定期検査の実施前に、検査装置の検出性能、動作の確認を実施している。 原子炉建屋外において、実際の検査と同様に、テストピースを装着した圧力管集合体模擬管を用いて、遠隔操作制御による装置の動作、健全性を確認している。この設備には恒温槽があり、温度特性の確認も可能である。 特にUT-ID装置においては、人工欠陥の探傷信号レベル等を検出し、その結果からDAC・ゲイン等の調整及び校正を実施している。また、本検査装置を圧力管集合体に挿入する直前に、原子炉建屋内において、テストピースを内蔵した校正装置を使用して、信号ケーブル等の配線を完了したあとに、性能の最終確認を実施している。 (9)装置の技術高度化 その特徴は、以下のとおりである。 ![]() 検査の実施は、炉心の高線量下であるため、照射の影響により、経年的に機器の劣化、損傷及び機能 |
ダウンが発生し、誤信号を伝達する結果となる。各機器について開発段階から照射試験を実施し、その影響を受けにくい部品を使用している。検査装置専用シールプラグの回路接続コネクタは、技術改良が進められ、可能な限り、装置の上下位置検出を行うエンコーダ、電子回路等を装置本体の外部に配置する設計として耐久性の向上を図った。
![]() 装置の制御室から遠隔操作によりシールプラグコネクタの脱着が可能にするため、シールプラグコネクタ脱着機(マニピュレータ)の開発、改良を実施した。カメラによる監視及びコンピュータによる現場シールプラグの位置検出精度向上が図られたことから、シールプラグコネクタの着脱を確実に遠隔操作が可能となった。その結果、作業時の被ばく低減及び検査時間の短縮を図ることができた。 8.1.3 圧力管検査実績 昭和58(1983)年、圧力管検査装置が「ふげん」に備えられ、圧力管集合体の検査を計画的に実施してきた。 供用期間中検査の10年計画に基づき、燃料取替え計画と実績、運転前検査実績及び圧力管材のクリープ現象による変化量の経時追跡等を考慮して、それぞれの検査時期ごとに、検査対象の圧力管集合体を選定した。圧力管検査の実績を表8.1.3に示す。 また、圧力管検査装置は、大きなトラブルもなく、その検査期間は10日程度で、定期検査時のプラント停止期間への影響もない。また、被ばく線量も極め |
表8.1.3 圧力管検査の実績
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