第8章 「ふげん」における運転・保守技術の高度化

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8.1.8 内径測定原理

μm程度、膨らむものと予測された。この現象を把握、評価する目的で内径測定を実施している。このため、極めて小さな内径の変化量を、正確かつ高速度に測定できる非接触の超音波方式を開発し、その精度を±20μmまで向上させた。
 測定原理は、図8.1.8に示すように、2個の超音波

探触子を180度対称に配置し、発射された超音波が、部材に当たって戻ってくるまでの時間から内径を算定する。また、高精度の測定を可能とするため、次のような工夫を凝らした。
水中の超音波の速さは、水の密度に影響されるため、水温補正用の探触子を別に設け、自動的に水温補正を行う。
超音波ビームが、測定箇所の一点に当たるように、探触子は、高周波(15MHz)の点集束型を採用している。
校正に用いる基準ゲージは、熱膨張の極めて少ない石英ガラスで製作した。
測定探触子が、必ず圧力管の中心に位置するように、測定ヘッドのガイド機構は、120度間隔で設けた3個のガイドが同一の荷重で連動して押し出される構造とした。
 なお、内径測定機構は、号機(UT-ID)の超音波探傷検査ヘッド内に組込まれており、超音波探傷検査と同時に内径を測定できるため、検査及び測定時間の短縮を図っている。
(4)長さ測定機能
 圧力管部材の照射クリープ現象は、軸方向にも影


図8.1.9 長さ測定原理


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