第8章 「ふげん」における運転・保守技術の高度化

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図8.1.2 原子炉本体構造図

本体構造図を図8.1.2に示す。個々の圧力管集合体は、ジルコニウム・ニオブ(Zr-2.5wt% Nb)合金製の圧力管本体と、ステンレス鋼製の上部延長管・下部延長管で構成され、全長約9mである。また、圧力管本体の形状は、長さ約5m、内径117.8mm、肉厚4.3mmとなっており、圧力管集合体のそれぞれは、同じ品質管理により、同一の形状、寸法及び材料で製作されている。
 圧力管集合体は、細長い管状のものである。その検査装置は、「ふげん」の燃料集合体の大きさまで小型化され、燃料交換機を利用して圧力管集合体への取付・取外しが遠隔操作で行えるようになっている。また、検査装置が装着される圧力管集合体の内部は、高放射線環境〔約3×103Sv/h(γ線)〕の水中であり、装置は、水中駆動で、使用されている部品は、電子部品を含めて、照射試験により耐放射線性を確認したものを用いて、遠隔自動により、高精度の検査が可能な装置となっている。検査装置の開発目標性能を表8.1.1、検査要領概念を図8.1.3に示す。
(1)装置の基本性能
 圧力管検査装置は、号機(UT-ID)、号機(VT)及び号機の3種類、並びにこれらの改良型がある。「ふげん」においては、これらの装置によって、圧力管集合体の圧力管本体部の超音波探傷検査、内径測定、長さ測定及び上部・下部ロールドジョイント部の超音波探傷検査を行うとともに、圧力管集合体全体の内表面肉眼検査を行うことができる。

表8.1.1 圧力管検査装置の開発目標性能と根拠




図8.1.3 検査要領概念

 圧力管検査装置号機の概略図を図8.1.4に示す。
 検査装置本体は、検査機構、駆動機構、電子回路、シールプラグ等で構成され、内部使用部品の小型化を達成したことによって、装置の外径を約110mm(燃料集合体の大きさ)に収めることができた。これにより、燃料交換機を利用した圧力管集合体への



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