第8章 「ふげん」における運転・保守技術の高度化

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図8.1.4 圧力管検査装置I号機の概略

装置の挿入取付・取外しが可能となった。また、検査装置への信号ケーブルの着脱も、検査作業時に、燃料交換機上に設置するマニュピレータで行い、検査装置の取扱いから検査作業の実施まで、一貫した遠隔自動操作化を実現した。
 圧力管検査装置を使用した検査の特徴をまとめると、次のとおりである。
装置の圧力管への装着から検査実施まで、すべての作業の遠隔自動化が図られた。
装置は、水中仕様であり、検査の際に原子炉冷却材である水を抜く必要がないようにした。
各々の検査機構部は、校正機構等が内蔵されており、装置を圧力管集合体内部に挿入させたまま、機能確認と校正が行える。
 圧力管検査装置は、装置の小型化に伴って、検査機能別に3種類に分割されているが、その後の改良
型も含めて、基本的な構造は、すべての種類で同じである。以下に、号機(UT-ID)、号機(VT)及び号機について、装置の性能を述べる。装置の主要仕様を表8.1.2に示す。
(2)超音波探傷検査機能
 超音波探傷は、号機(UT-ID)による圧力管本体部の検査及び号機による上部・下部ロールドジョイント部の検査を実施している。この検査は、超音波を利用して圧力管の内面、外面及び内部に生じた疵を検出するものであり、軸方向及び円周方向の疵が検出できるように、検査装置に、方向の異なる2個の探触子を設けてある。
 探触子から発射された超音波は、冷却材(軽水)の中を伝わって圧力管材料に入射し、圧力管の内面と外面とで反射しながらジグザグに進んでいく。この時、進行経路に疵が存在すると、超音波はそこで


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