第7章 プルトニウム利用技術の確立及び実証

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図7.3.40 重水中10B濃度のPOLESTAR(近代ノード法)計算値と実績値の差

である。これは、運転日数に換算して約1週間に相当し、効率的な燃料取替計画を作成することが可能である。
(6)冷却材ボイド反応度係数評価
冷却材ボイド反応度係数の評価方法
 「ふげん」においては、原子炉の起動・停止時に炉出力約40%で再循環ポンプ(RCP)の速度を切り替える。RCP速度切替え時のプロセス量の変化より、冷却材ボイド反応度係数を評価することができる。原子炉起動時に、RCPを低速から高速に切り替えることにより、RCP流量は、約2倍に増加し、炉心の冷却材ボイド率は、それに伴い急減する。このボイ

ド率の変化に伴い、原子炉出力は変化するが、原子炉出力は、自動制御棒により一定に保持される。制御棒反応度価値は、この時の制御棒位置の移動量から求め、これと炉心の冷却材ボイド率変化から冷却材ボイド反応度係数を評価する。
冷却材ボイド反応度係数の評価結果
 RCP切替え時の冷却材ボイド反応度係数の評価結果を図7.3.41に示す。タイプB炉心(第8サイクル以降)の冷却材ボイド反応度係数の解析値は、−2.65×10−5〜4.00×10−5[Δk/k/%void]、実測推定値は、−2.77×10−5〜3.57×10−5[Δk/k/%void]の範囲で推移していた。



図7.3.41 再循環ポンプ切替え時のボイド反応係数評価結果


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