第7章 プルトニウム利用技術の確立及び実証![]() |
第 7 章 |
る。測定の都度、装置をプール内の特殊燃料取扱架台上にセットし、プールサイドより遠隔操作でデータ収集やコリメータスリットの選択等の作業を行うものである。測定対象燃料集合体は、燃料検査装置にセットされ、この検査装置で燃料集合体を上下移動や回転をさせて測定するようになっている。 また、コリメータは、スライド機構と首振り機能の2つの機能を有している。スライド機構を使用してスリットの選択を行い、首振り機構により燃料集合体の中心方位合わせなどの微妙なコリメータの位置調整を行う。コリメータは、1mmピッチの幅で動かすことが可能である。 ![]() 測定核種の出力分布測定は、短半減期の140La、燃焼度分布測定は、長半減期の137Csを選定している。短半減期核種(La)は、原子炉停止直前の核分裂状態を示し、過去の燃焼履歴と無関係であり、停止直前の出力分布を表している。これに対し、長半減期核種(Cs)は、燃焼期間を通じて燃料集合体内に蓄積していくことになるため、一時的な出力分布に左右されず、過去の出力分布の積分値である燃焼度を表している。なお、出力分布測定としては、95Zrを測定する方法があるが、実測した結果、カウント数が140Laに比べてかなり少ないため、実用的ではなかった。 ![]() 平成2(1990)年度における計画停止時の燃料取替計画を考慮し、燃料の種類、燃焼度、制御棒の影響、炉心内装荷位置について異なった照射条件となるように、測定対象とする燃料集合体を、選定している。出力分布測定対象燃料は、出力ミスマッチ、制御棒隣接位置、径方向出力分布及び重水反射体の影響が分かるような炉心位置から選定され、燃焼度分布測定対象燃料は、長半減期核種である137Csを精度よく測定するため、冷却期間が、1年間以上で比較的燃焼度の低いものと高いものを選定した(図7.3.27参照)。 第9回定期検査時に、ガドリニア燃料の燃焼特性を把握するため、実証炉燃料の照射試験燃料として炉心に装荷されていた照射用ガドリニア燃料集合体を、測定対象としたものである(図7.3.28参照)。 ![]() ( ![]() 軸方向相対出力分布の測定結果例を図7.3.29、軸 |
![]() 図7.3.27 平成2年度計画停止時γスキャン対象燃料炉内装荷位置 ![]() 図7.3.28 平成9年定期検査時γスキャン対象燃料炉内装荷位置 |
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