図7.3.10 WIMSコードの開発・改良状況
係する運転パラメータの監視に利用されている。
本コードは、燃料集合体の種類、燃焼度、ボイド率、液体ポイズン濃度に依存する核定数を用いて3次元出力分布を求め、軸方向出力分布の熱積分からクオリティ分布を求め、これをボイド率分布に換算し、ボイド率依存の核定数を求めるという手順を繰り返し、出力分布が収束するまで計算を行う。
CITATION
CITATIONは、OAK RIDGE NATIONAL LABORATORYで開発されたコードである。本コードは、有限差分拡散理論に基づき、任意の次元体系、エネルギー群数で中性子束に関する固有値問題を解くコードである。本コードにより、制御棒反応度及びボロン反応度等の各種反応度計算を行う6)。
POLESTAR
POLESTARは、「ふげん」の燃料取替計画作成及び運転実績評価のために開発された2群3次元核熱水力結合コードである。ノード分割は、炉心径方向は燃料格子ごとに、炉心軸方向は燃料格子と同程度の幅となるよう16分割としている。解法は、差分法及び不連続因子を組み込んだ近代ノード法を用いている。主な出力は、3次元中性子束分布、3次元出力分布、3次元燃焼度分布、臨界ボロン(10B)濃度、制御棒反応度価値、各種反応度係数等である。さらに、キセノン動特性解析も可能であり、あらゆる炉心状態を模擬した計算が可能である7)。
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本コードの主な計算機能は、以下のとおりである。
・炉心燃料取替計画及び炉心燃焼計算
・反応度係数計算
(ボイド係数、ドップラー係数、出力係数等)
・出力変動時の炉心過渡計算
・臨界サーチ計算
(10B濃度、制御棒位置、出力レベルサーチ)
(3)動特性計算コード
FATRAC
FATRACは、原子炉を含むプラント主要系統全体の動特性を解析するコードである。主として通常運転で考えられる運転操作や外乱が、原子炉冷却系統設備に加わったときのプラント安定性の評価、発電所の供用期間中に予想される「運転時の異常な過渡変化」発生時の安全性評価に用いられる。
「ふげん」の系統概略図を図7.3.11、解析モデルのブロック図を図7.3.12に示す。このモデルの特色は、以下のとおりである。
( )炉心特性は、一点近似であり、遅発中性子は6群としている。制御棒操作量及び冷却材ボイド率、燃料体温度(ドップラー効果)または減速材温度が変化した場合の反応度変化を模擬している。
( )炉心内の冷却材ボイド率変化は、代表チャンネルで表わし、代表チャンネルを軸方向に多ノードに分割して各ノードごとに計算している。また、炉心出口から蒸気ドラム部分についても多ノードに分割し、冷却材ボイド率の変化に伴う一次系保有冷却水の体積変化を求めている。
( )圧力ノードは、各ループの蒸気ドラムを含む冷却材再循環系(圧力管含む)、主蒸気管、及び両ループからの主蒸気流量が合流する蒸気ヘッダの各領域に分けて計算している。
( )燃料から冷却材への熱伝達は、燃料―被覆管断面を同心円筒状に領域分けしたモデルより計算している。
( )蒸気ドラム水位変化は、圧力管、出口管及び蒸気ドラムにおける液体と気体の質量並びに体積バランスより計算する。
( )圧力制御装置、給水制御装置、制御棒制御装置及び安全保護系が、模擬されている。
解析モデルは、運転時の異常な過渡変化及びプラント安定性検討のための制御系設定変更の応答特性双方に対して、過渡応答が計算できるように模擬されている。
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