第6章 「ふげん」の運転実績

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るため、活性炭層内で吸着と離脱が繰り返されることにより、一定期間、活性炭吸着塔内に保持される。この間に、短半減期の放射性希ガス(Xe、Kr)は、減衰する。
 活性炭吸着塔を出た排ガスは、大気へ放出される前に、後置フィルタにより、再度、放射性粒子が除去されたのち、排ガスエジェクタで吸引され、排気筒から放出される。排ガスエジェクタは、2基あり、定格運転時はB系(排ガス吸引量16Nm3/h)を使用し、不凝縮ガスが多く、主復水器内の真空度を維持するため、プラント起動時は、A系(排ガス吸引量40Nm3/h)を使用する。
 希ガスホールドアップ装置の系統図を図6.2.24、主要仕様を表6.2.14に示す。
(2)開発経緯21)
 原子炉の1次冷却水中に生成された放射性希ガスは、沸騰水型軽水炉(BWR)発電所においては圧縮貯蔵タンクを設け、約24時間の間貯留して、放射能の減衰を図ってきた。「ふげん」においては、活性炭層に希ガスを流すと、希ガスの滞留時間が大幅に増加し、放射能を低減できることに着目し、(株)日立製作所に委託してこの方式の基礎試験を行った。この試験において、活性炭の種類による吸着性能の優劣、各種の吸着条件等、実用化への基礎データが

表6.2.14 希ガスホールドアップ装置主要仕様




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