第6章 「ふげん」の運転実績

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図6.2.21 主蒸気隔離弁概略図

表6.2.12  主蒸気隔離弁主要仕様





写真6.2.7 主蒸気隔離弁

 また、弁急閉時の衝撃から弁座を保護するため、全閉近くになると、速度を緩めるオイルダンパーを備えている。
 操作電源は、所内電源喪失時にも作動できるように、AC及びDCの2系統を有している。
(2)開発経緯18)
 1970年代に、国内の軽水炉(BWR)で使用されていた主蒸気隔離弁は、輸入品またはこれに準ずるものであった。「ふげん」の主蒸気隔離弁の開発にあたっては、国産化を図ること、突発的に発生する事故時に確実に作動すること、及び閉鎖後に弁の漏えいを確実に防止することという設計条件に基づき、試作弁による作動試験等を行ったうえで、実機の設計・製作を行った。
 具体的な設計目標は、次のとおりであった。
主蒸気隔離弁急閉基準値
 主蒸気管破断事故が発生した場合、核分裂生成物の放出(漏えい)を考えれば、主蒸気隔離弁は、瞬時に閉鎖することが好ましいが、その場合は炉心部の圧力上昇が大きくなり、燃料の健全性には好ましいことではない。
 このため、主蒸気隔離弁の閉鎖時間は、急激な炉心部の圧力上昇を抑える場合の最小時間として3秒、また核分裂生成物の放出(漏えい)を周辺公衆の被ばく線量の許容値(原子力委員会指針;原子炉立地審査指針及びその適用に関する判断の目安につい



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