第6章 「ふげん」の運転実績

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表6.2.7 LPM中性子検出器主要仕様


図6.2.12 LPM検出器集合体炉心組込図



図6.2.13 LPM中性子検出器構造図

 「ふげん」は、重水炉でありBWRに比べ熱中性子束が約20%高く、LPMが、重水中に装荷されるため、検出器の周囲温度が50〜70℃と低い。さらに、中性子経済の良さを保つため、炉心部の検出器構造材に中性子吸収の少ないジルカロイ−2を用いている。
 このため、中性子変換物質235Uの核分裂反応率が大きく、高出力領域において、検出器内の電離イオンの停滞及びγ加熱による電離ガスの電界部からの逸散に伴う出力直線性の悪化、並びに中性子変換物
235Uの早い消耗による検出器感度の低下の現象が現れた。これらの解決のため、中性子変換物質である235Uの量の低滅(BWR用の約60%)、アノードを中空構造にすることによる電極質量の軽量化、235Uの消耗を補償するための234U混入(混合比235U:234U=1:3)等の改良を、国産技術で開発した。
 昭和44(1969)年から、「ふげん」のLPMの開発を開始し、昭和49(1974)年にその長寿命化に着手した。日本原子力研究所材料試験炉(JMTR)にお


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