第6章 「ふげん」の運転実績

帯

6


炉の安全確保上、高度な信頼性が要求される。シールプラグの着脱は、燃料交換機により行われるため、燃料交換機との構造・機能上の整合性も要求される。
 シールプラグの構造は、図6.2.3に示すとおりで、シールプラグは、図6.2.4のように圧力管下部に装着する。原子炉冷却材は、シール部で密封し、圧力管には、ラッチ部で固定する。
 シール部は、シール材(シールエレメント)にチタン合金(Ti−6A1−4V)を用いたメタルシール方式による第1次シール部並びに、EPDMゴム製のUパッキンを用いたソフトシールによる第2次シールで構成するダブルシール方式である。原子炉冷却材のシールは、原子炉加圧前には、ドームスプリング力、また原子炉運転時には、原子炉冷却材圧力により、ドームが、シールエレメントを更に押し広げるセルフシール構造である。原子炉冷却材圧力バウンダリは、ドームで構成している。第2次シール部は、1次シールのバックアップの役割を果たすとともに、1次シールとの間に空間を作り、1次シールからの漏えい水を漏えい検出系(シールリーク検出系)に導いて、常時、漏えい監視を行う。
 燃料交換機の遠隔操作で行うシールプラグと圧力管の着脱を確実にする必要がある。そのため、ラッチが下端位置に落ち着き、ボールを圧力管溝に完全にはめ込む装着が完了しなければ、燃料交換機グラブが、シールプラグから分離できない構造とした(ボールラッチ・インターロック設計)。
 シールプラグの主要仕様を、表6.2.2に示す。
(2) 開発経緯



図6.2.3 シールプラグ構造図

 シールプラグは、原子炉冷却材圧力バウンダリを構成する「ふげん」特有の機器であるため、次の設計基準を設定し独自に研究開発を進めた。



図6.2.4 シールプラグの圧力管装着図



写真
6.2.1 シールプラグ



帯
193

前頁

目次

次頁