第6章 「ふげん」の運転実績

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・予想される使用条件において、充分な強度を有し、急速な破壊が生じないこと。
・シール機構及びシール材は、高い信頼性を有し、漏えいは、可能な限り少ないこと。
・漏えいが生じた場合、その漏えいが、シールプラグからのものであることを早期かつ確実に検出できること。
・原子炉運転中においても、遠隔操作で確実に圧力管との着脱が可能なこと(「ふげん」開発当初は、運転中燃料交換を設計条件とした)。

表6.2.2 シールプラグの主要仕様


・分解点検が容易であること。
 シールプラグの研究開発は、図6.2.5に示すように、まず、シール材に有機材料(テフロン、EPDMゴム)を使用したソフトシール方式を対象としたが、開発の過程で、耐放射線性・耐熱性に難点があることが判明し、昭和47(1972)年度に、金属材料を使用したメタルシール方式への設計変更を行った。
 設計にあたっては、上記の設計基準を考慮し、部品ごとの構造設計及び材料選定を行い、ドームなどの主要部品に使用しているSUS630及びシールエレメントに使用しているTi−6A1−4Vの材料試験を実施し、材料特性が、満足できるものであることを確認した。また、原子炉冷却材バウンダリとなるドームは、有限要素法による応力解析を行い、「第1種容器」(「発電用原子力設備に関する構造等の技術基準」、通商産業省告示501号)の基準に適合していることを確認するとともに、実験によりその裏付けを行った。
 これらの開発試験で得られたデータは、逐次設計へフィードバックされ、その結果、「ふげん」で使用されるシールプラグが完成した。
(3)運転及び保守点検実績
 運転期間中のシールプラグの使用実績は、次のとおりである。
取替体数



図6.2.5 シールプラグの研究開発工程


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