第6章 「ふげん」の運転実績

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図6.2.2 小型圧力管検査装置の開発工程

表6.2.1 圧力管検査の実績


耐放射線性を向上させるなどの改良を適宜実施してきている。
(3)運転実績及び保守点検実績
 「ふげん」に圧力管検査装置が備えられた昭和58(1983)年から、圧力管集合体の検査を定期的に実施した。検査対象の圧力管集合体は、燃料取替計画と実績、運転前検査実績及び圧力管材のクリープ現象による変化量の経時追跡等を考慮し、供用期間中検査10年計画に基づき、それぞれの検査時期ごとに選定した。圧力管検査の実績を表6.2.1に示す。
 平成11(1999)年10月、シールプラグ装着時の圧力管シール面とシールエレメント間へのクラッド噛み込みが原因と考えられるリーク量の増加が発生した。その対策として圧力管シール面磨き装置による研磨を実施したが、圧力管検査装置は、第14回定期検査時に検査用シールプラグへのクラッド噛み込み
に伴う装着不良が発生した以外、基本的な検査機能に大きなトラブルは発生せず、検査に要した期間はおおむね10日以内であった。また、被ばく線量も極めて小さく、検査装置の実用性が、十分に実証された。
(4)評価
 圧力管検査装置による圧力管集合体の検査結果に、異常等は認められなかった。なお、圧力管材は、監視試験片による照射後試験の評価で、材料特性・腐食量共に設計値を満足しており、健全性が維持されている。

6.2.2 シールプラグ3)
(1)構造及び機能
 シールプラグは、燃料交換のために開口する圧力管下端部において原子炉冷却材をシールする機器である。原子炉冷却材圧力バウンダリを構成し、原子


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