第6章 「ふげん」の運転実績

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られた。
 3H濃度の測定については、過去の核実験による影響または通常の放出に伴う3Hが検出されたが、十分低いレベルであった。
 平成9(1997)年4月14日のふげん発電所重水精製装置からの重水微小漏えい及び同年11月5日の重水精製装置からの重水微小漏えい、更に平成11(1999)年7月2日の重水精製装置からの重水漏えいに伴い、臨時環境モニタリングを実施し、周辺環境に影響のないことを確認した。
 運転開始以降の測定項目ごとの測定結果を以下に示す。
空間積算線量
 地質の違いによる測定値の差や冬期の積雪による遮蔽効果による線量低下は、認められるものの、これら自然変動の範囲を上回るものは観測されず(平成4年度第4四半期に平常の幅を上回る線量上昇があったが、線量が上昇した地点は1地点のみであったため、雷の発生に伴う放電による線量上昇と推定された)、いずれの地点でも平常値の範囲内であり、原電敦賀発電所及びふげん発電所の運転による有意な線量上昇は、認められなかった。経年変化を図6.1.81に示す。
空間線量率
 降雨及び積雪等の自然現象による一時的な線量率の変化は認められるものの、これら自然変動の範囲を上回るものは観測されず、いずれの地点でも平常値の範囲内であり、発電所の運転による有意な線量率上昇は、認められなかった。経年変化を図6.1.82に示す。
浮遊じん
 チェルノブイル事故時、137Cs及び131Iが、検出されたほか、原子力発電所に起因する核種は、検出されなかった。
降下物(月間雨水)
 チェルノブイル事故後に、131I等が検出され、また過去の核実験の影響による137Csが、毎年、春先に検出されているほか、原子力発電所に起因する核種は、検出されなかった。
 3H濃度については、過去の核実験による影響若しくは通常の放出に伴う3Hが、検出されたのみであった。3H濃度経年変化を図6.1.83に示す。
陸水
 チェルノブイル事故後、137Cs及び131Iが、検出されているほか、原子力発電所の運転に起因する核種は、検出されなかった。


図6.1.81 空間積算線量経年変化(周辺監視区域境界付近)


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