第6章 「ふげん」の運転実績

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表6.1.27 国外の重水型発電所における気体トリチウム放出実績


出量は、表6.1.27に示すとおり、国外の重水型炉の放出量と比較しても充分低い水準である。
 気体トリチウムの環境への放出に関係したトラブルとしては、平成9(1997)年4月、重水精製建屋の重水精製装置からの重水漏えい、平成13(2001)年5月、ヘリウム循環系配管からのヘリウム漏えい等があげられる。これらのトラブルに伴って環境に放出されたトリチウムは、少なく、放出管理目標値及び法令に定める濃度限度を充分下廻るものであり、問題となるものではなかった。
 重水精製装置からの重水漏えいの対応は、精製装置全体を覆うように複数のコンパートメントを設け、その中の気体トリチウムを回収する大型トリチウム除去装置を設置することであった。これによって、重水漏洩が発生した際に、重水精製施設排気筒から環境へのトリチウム放出量を最小に抑える対策を講じるとともに、排気筒トリチウムモニタの多重化等の監視強化を図った。
 ヘリウム循環系配管からのヘリウム漏えいは、非常に微少漏洩であったため発見が難しいものであったが、排気筒からのトリチウム放出濃度推移の分析に基づく、詳細な現場調査によりトリチウムが漏えいしていることが判明し、漏えい箇所を発見することができた。なお、これらトラブルの原因と対策については、第6章6.1の表6.1.1を参照のこと。


表6.1.28 放射性液体廃棄物の年度別放出実績



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