第6章 「ふげん」の運転実績

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棄物処理建屋排気筒からの放出は、ごくわずかの放出量であった。また、重水精製施設排気筒からの放出量は、原子炉施設からの放出量の約1割であった。
 原子炉施設排気筒から放出される気体トリチウムは、図6.1.65に示すとおり、重水中のトリチウム濃度が、原子炉の運転年数に伴って上昇しているため、運転開始初期には放出量もこれに伴って増加する傾向にあり、昭和62(1987)年度には、放出管理目標
値(1.8×1013Bq/年)の約20%に相当する約4×1012Bqに達した。このため、昭和63(1988)年度から気体トリチウムの発生源(場所)を非常用ガス処理系(モレキュラシーブを用いてトリチウムを吸着回収:図6.1.66参照)により吸引し、気体トリチウムを液体トリチウムとして回収する放出低減化対策を講じた結果、以後1〜2×1012Bq/年の放出量で推移してきた。「ふげん」における気体トリチウム放


図6.1.65 気体トリチウムの年度別放出実績(原子炉施設排気筒)



図6.1.66 常用ガス処理系の概念図


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