第6章 「ふげん」の運転実績

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表6.1.14 原子炉停止時の出力降下速度

ないが、タービン側の第一段落蒸気室内メタル温度の温度変化率(83℃/h以下)によって制限されている。
 出力降下速度の実績値を表6.1.14に示す。
 第9サイクルから、給水弁切替時間をできるだけ長くとるため、早めに出力降下するようにしてきた。これは、原子炉停止時、炉出力の制御に使用しているE制御棒が、キセノンのビルドアップにより抜け

た場合、炉出力を予定曲線通りに降下できなくなるおそれがあることによる。なお、第7サイクルにおいては、崩壊熱測定試験のために手動スクラムによって停止している。
(9)原子炉停止中の炉心管理
 原子炉停止中の炉心管理は、原子炉を常に未臨界に保つため、燃料装荷時及び炉心関連の作業・検査時において臨界にならないための臨界管理を実施している。
燃料装荷時
 燃料装荷時に未臨界であることの確認は、あらかじめ計算によって行われる。燃料装荷中は、SUMの指示値によって確認するほか、万が一の場合に備えて、あらかじめ、所定の位置(65%位置)まで制御棒を引き抜いて実施している。これは、装荷する燃料による原子炉に投入される反応度より、制御棒が65%位置に挿入された場合の反応度の方が大きいため、万が一、臨界になったとしても必ず未臨界にできるからである。また、第1、8サイクルのように、初期の余剰反応度が大きい場合、燃料装荷前に事前に10B注入を実施し、重水中の10B濃度を調整して常に未臨界になるように管理してきた。通常の平衡炉心(6か月運転の場合)においては、十分な未


図6.1.43 燃料装荷に伴う逆増倍率変化(第16サイクル実績)


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