第6章 「ふげん」の運転実績

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 さらには、シャフリング体数を増やさなくてはならなくなることがある。
)照射炉としての役割があるため、照射用燃料を非回転対称位置に装荷した場合、90度回転対称性を守ることはできない。
)新燃料の使用体数を増やさずに、燃料の熱的制限値を緩和するため、シャフリング体数が増えることになる。
)タイプB燃料の場合、燃料の炉内滞在日数制限のために、燃焼度が十分に進まないうちに、炉心の最外周に装荷した燃料を取り出さなくてはならなくなる。このため、燃料の取出燃焼度を上げるため、シャフリングによって燃料をより燃焼が進む位置(炉心中央部)に移動させなくてはならない。
)原子炉の停止余裕については、「ふげん」は、常に十分な停止余裕が確保されているため、燃料取替計画の作成にあたっては、ほとんど問題にならない。また、最大過剰反応度については、運転期間が、
1年以上とならない限り問題にならない。
(4)燃料の運転上の制限値
 原子炉運転中、プロセス計算機により、次の項目について監視し、計画通り原子炉が運転されていることを確認してきた。各燃料の運転上の制限値を表6.1.8に示す。
燃料集合体の最大線出力密度(MLHGR)
燃料集合体の最小限界熱流束比(MCHFR)
燃料集合体の燃焼度
燃料集合体の炉内滞在日数
 最大線出力密度については、燃料の設計及び工事の方法の認可申請書に記載されている線出力密度履歴の設計線を運転管理目標値として管理してきた。設計線出力履歴は、実際の燃焼履歴を考慮して決めており、燃料タイプ、燃焼度により異なっているため、プロセス計算機により監視してきた。標準燃料の各サイクル初期における最大線出力密度の実績値を図6.1.14に示す。


表6.1.8 各燃料の運転上の制限値



図6.1.14 最大線出力密度


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