また、「ふげん」は、発電設備を有する原子炉施設であるため、「電気事業法」に基づく検査も実施しているが、「原子炉等規制法」及び「電気事業法」による規制が、実質的に二重規制とならないように定期検査の実施方法等で配慮がなされている。
　また、その他の法令等が適用されている設備の定期検査については、定期的に実施しているほか、前述の適用法令に基づく定期検査以外の設備についても、自主的な点検により設備・機器の健全性・信頼性を確保してきた。
　定期検査で実施する検査項目は、軽水炉における定期検査項目を考慮し、ATR特有設備の検査項目を追加して実施してきた。具体的には、「長期定期検査計画書」により、あらかじめ定められた項目及び頻度を基本とし、日常点検や過去の定期検査の経験並びに「ふげん」や他の原子力発電所等で発生した

不具合の経験を十分に検討し、定期検査ごとに策定する「定期検査計画書」に反映させて、設備・機器の検査及び点検整備を実施してきた。定期検査の主要実施項目を表6.1.4に示す。また、定期検査時に、設備・機器の経年変化対策、機能改善及び信頼性向上対策、作業の省力化、被ばく低減等のための改良工事も併せて実施してきた。
　「ふげん」においては、これまで17回の定期検査を経験し、重水循環ポンプ、制御棒駆動装置、燃料交換装置等のATR特有機器を含めた「ふげん」の設備・機器の分解点検手法並びに圧力管集合体、入口管、上昇管等の供用期間中検査技術を確立した。定期検査工程については、「長期定期検査計画書」に基づいた主要点検項目、燃料取替計画、定期検査期間中に実施する改良工事、官庁検査工程、予算計画等を考慮し、最短工程となるよう策定し、第7回

表6.1.4　定期検査の主要実施項目