第6章 「ふげん」の運転実績

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表6.1.2 運転員の級区分及び職務

4班3交替体制の開始
 「ふげん」では、昭和53(1978)年3月、総合機能試験を終了し、起動試験に移行する段階から、その後、当直長を班の責任者とする1班12〜14名の4班3交替勤務の体制を構築した。昭和54(1979)年3月20日に、国の最終使用前検査に合格して本格運転を開始した。
5班3交替制の導入
 昭和60(1985)年4月から、教育訓練の充実と交替勤務者への処遇の改善を目的に、4班3交替制から5班3交替制(4班3交替1日勤班)に移行した。
 5班3交替制により、日勤班を新たに設けることで、作業に関するアイソレーションの検討、手順書・教育資料の整備等を重点的に実施することができた。また、のちに詳細に記述するが、日勤班が、定期検査時の定検管理班の中核となり、定期検査時の作業管理の改善を図ることができた。
6班3交替制の導入
 平成7(1995)年の「もんじゅ」事故及び平成9(1997)年の東海事業所アスファルト固化施設の事故を契機に、動力炉・核燃料開発事業団(以下、「動燃」という)改革検討委員会が組織され、その中で動燃改革の基本方向が打ち出された。
 その基本方向の中に、安全確保の機能強化として()教育・訓練の徹底、()運転員等の勤務態様

の改善がうたわれ、これを受けて「ふげん」に6班3交替制を導入する決定がなされ、約1年間の検討期間を経て、平成11(1999)年3月22日より、5班3交替制から6班3交替(4班3交替1日勤班、1教育班)へ移行した。
 教育班は、異常時対応操作の教育、シミュレータ訓練、保安規定に定めらている保安教育の実施を行い、運転員の教育・訓練の充実、効率化を図るとともに、訓練効果の向上を果たすことができた。
廃棄物処理設備・重水精製装置の運転体制
 廃棄物処理系のうち、液体廃棄物処理設備、固体廃棄物処理設備及び雑固体廃棄物処理設備の運転は、常駐協力会社へ業務委託して運転管理を行っている。
 また、重水精製装置の運転も、常駐協力会社へ業務委託している。
(3)運転操作手法の確立
 「ふげん」の運転方法は、BWRと類似しているが、
出力制御方法
給水制御弁切替方法
燃料交換方法
再循環ポンプ速度切替方法
重水炉特有の系統の運転
などの点で異なり、それぞれ独自の運転方法を確立している。
 出力制御は、制御棒と重水中のポイズン濃度調整で行っている。定格出力運転時に、4本あるE制御棒のうち1〜2本を「自動」として、短期かつ微小な出力調整を行い、燃焼等による長期の出力変化は、ポイズン濃度調整で対応する。
 燃焼による炉心全体の反応度の減少量(負の反応度)と重水中のポイズンの燃焼による反応度の投入量(正の反応度)とを比較した場合、重水中のポイズン濃度が約4ppm以下である場合、負の反応度の効果が大きく、その分を制御棒が補償するため、自動制御棒は、引抜き傾向となる。逆に、重水中のポイズン濃度が約4ppmより大きい場合は、自動制御棒は、挿入方向となる。
 「ふげん」の給水制御は、低出力時には蒸気ドラム水位の変化要素を用いて行う一要素制御の低流量調節弁、高出力時には蒸気ドラム水位、主蒸気流量、給水流量のそれぞれの変化量を用いて行う三要素制御の主給水調節弁で行っている。
 給水調節弁の切替時期は、低流量調節弁の容量により決められる。運転開始当初は、この弁の容量が



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