第6章 「ふげん」の運転実績

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6.1.2 運転管理
(1)概要
 「ふげん」は、BWR(沸騰水型軽水炉)と同様に、原子炉で発生した蒸気をタービンに導いて発電機を回す仕組みとなっており、発電所の全体構成も、炉心や重水炉特有の設備を除くとBWRに類似している。このため、運転管理手法は、BWRの運転管理手法を基本として確立した。
 「ふげん」は、昭和53(1978)年3月から開始した約1年間の起動試験その後の運転、並びに第1回から第17回までの定期検査及び計画停止の実績を通して、運転体制の確立、運転操作方法の確立、運転手順書体系の整備、運転監視手法の高度化、教育訓練体系を確立した。この間、いくつかのプラントの計画外停止を含むトラブルを経験したが、その都度、運転手法等の改善を行い、再発防止に万全を期した。その結果、重水減速沸騰軽水冷却圧力管型炉の運転管理技術を確立することができた。
(2)運転体制
 原子力発電所の目的は、良質の電気を経済的に需要家へ供給することであり、運転面から言えば、発電所を安全かつ安定に運転することである。
 「ふげん」の運転は、発電課が担当しており、交
替勤務(直)体制により24時間連続した運転・監視を行っている。1班の運転員は、当直長、当直長補佐、上級運転員、中級運転員、初級運転員、そして訓練運転員の約10名で構成される。直業務の遂行にあたっては、当直長の指揮の下、各運転員がその等級ごとに定められた職務を果たし、一致協力して安定安全運転に努めている(写真6.1.1)(図6.1.8及び表6.1.2に示す)。



写真6.1.1 「ふげん」中央制御室



図6.1.8 発電課の運転管理体制


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