第6章 「ふげん」の運転実績![]() |
第 6 章 |
発生年月日
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件 名
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概 要
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原 因
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対 策
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系統設備
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報告根拠
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H11.11.18
(事故停止中) |
急速注水系定期試験時の不具合
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非常用炉心冷却系の急速注水系のB-蓄圧器出口弁の開閉試験を行ったところ、弁が開とならなかった。 (操作時に発見) |
(設備不良)施工不良s施工不良)
・前回の定期検査時に実施したB-蓄圧器出口弁駆動用電磁弁の分解点検の際に、パイロット弁プランジャの回り止めのポンチの施工後の管理が不十分で表面に突起が残り、今回の試験時にこの部分がスプール内径と干渉し、電磁弁が正常に作動しなかったために、出口弁が開動作しなかった。 |
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原子炉冷却系統設備 |
科技庁通達
通産省通達 |
〔12年度〕 |
制御棒位置指示計不良に伴う原子炉手動停止 | 4月2日、原子炉臨界操作中、引き抜きが完了している制御棒1本の位置指示が約65%に低下しているのが確認された。調査の結果、当該制御棒は100%引き抜き位置にあることが確認されたため臨界操作を再開した。 翌4月3日、当該制御棒の位置を表示する電気信号回路の調査を行ったところ、位置検出用差動トランスに不具合があることが推定されたことから、調査のため原子炉を手動停止した。 (操作時に発見) |
(その他) ・差動トランス内部のIC回路に潜在的な指示変動要因があり、使用中に不具合となって顕在化したことが推定される。 |
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計測制御系統設備 | 炉規法 通産省通達 |
H12.7.5
(運転中) |
A−非常用ディーゼル発電機潤滑油漏れに伴う待機除外 | 定格出力運転中、7月5日、運転員のパトロールにおいて当該ディーゼル発電機潤滑油サンプタンクのレベルが通常よりわずかに低くなっているのが確認されたため、床下の配管ピット床面を調べたところ、油漏れがあるのを発見した。 漏れ箇所の調査を行ったところ、潤滑油配管のドレン配管溶接部に亀裂が発見され潤滑油がにじんでいるのが確認されたため、応急措置として圧着ソケットを施したがディーゼル発電機の運転試験において当該部から潤滑油のにじみが確認された。 当該箇所の補修のため、当該ディーゼル発電機を待機除外として補修作業を実施した。 (巡視時に発見) |
潤滑油配管のサポート部が機関運転による振動で徐々にゆるみ、配管の振幅が大きくなってドレン配管溶接部止端部に高い応力が発生し、割れに至ったものと推定される。 | ![]() ![]() ![]() ![]() |
非常用予備発電装置 | 通産省通達 |
〔13年度〕
H13.5.23 (運転中) |
ヘリウム循環系配管点検のための原子炉手動停止 | 主排気筒トリチウム濃度が1月下旬以降、通常より高い傾向を示していることが4月にわかり調査した結果、アニュラス内のヘリウム循環系配管からの漏えいと判明し、5月24日に原子炉を停止した。当該部のヘリウム循環系戻り配管を調査したところ、溶接部近傍の8箇所で貫通割れが確認された。配管を切断し調査した結果、溶接部近傍および配管曲げ部で多数の内面割れが認められた。 割れは内面を起点とした粒内応力腐食割れで、塩素も検出された。アニュラス部以外のヘリウム循環系配管についても超音波探傷試験を行った結果、原子炉格納容器内のヘリウム戻り4インチ配管のほとんどの溶接部近傍で内面割れが確認された。 |
(設備不備)(製作不完全) ・調査の結果、試運転当初、重水中の塩素濃度が現在よりも高い時期があり、オリフィス下流側のヘリウム配管のドレン弁を開としていたため、配管内にヘリウム冷却器から重水が逆流し溜まる状態が発生していた。その後、重水中の塩素濃度を低減させるため浄化系樹脂の通水方法の変更や重水の逆流を防ぐためドレン弁を閉としたが、配管内に溜まっていた重水は排出しなかった。重水が溜まった配管内をヘリウムガスが高速で流れるのに伴い、塩素濃度の高い重水の飛沫が下流側配管内に運ばれ、配管内面に付着し乾燥する現象が繰り返された。これによって塩素が濃縮し、残留応力の高い溶接部近傍等で粒内応力腐食割れが発生し、一部が貫通に至ったものと推定される。 |
割れが確認された範囲の配管を耐応力腐食割れに優れたSUS316L製の配管に取り替えるとともに、配管ヒータと保温材を撤去し、ドレンの排水ラインを新設する。 | 原子炉補助系設備 |
炉規法
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