第6章 「ふげん」の運転実績

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発生年月日
件   名
概    要
原    因
対    策
系統設備
報告根拠
〔14年度〕
H14. 4.21
(調整運転中
原子炉冷却材中よう素濃度の上昇に伴う原子炉手動停止
調整運転中、希ガスホールドアップ装置入口ガスモニタの指示値が通常値10cpsから45cpsまで上昇したため、冷却材中のよう素濃度の測定を行った。その結果、Aループ側のよう素濃度が高かったため、燃料被覆管に微小なピンホール等が生じそこから漏えいしていると考えられた。よう素濃度は、保安規定上の制限値に比べて十分低く安全上問題となるレベルではないこと、モニタの指示値も安定していることから監視を強化して運転を継続した。
4月21日10時55分頃、それまで安定していた衛帯蒸気排気配管モニタ等の指示値が上昇しはじめ、12時頃から主排気筒ガスモニタの指示値も上昇し始めたため、12時31分に原子炉を手動停止した。
(巡視時に発見)
(その他)
・破損燃料検出装置により、燃料チャンネルの個別シッピングを行った結果、Aループに2体装荷されている特殊燃料集合体のうちの1体からの漏えいであることが判明した。
・原因調査のため、当該燃料体を取り出した後、詳細な外観検査、運転履歴調査等を実施したが、いずれにおいても異常は認められなかったことから、設計・製造や取り扱い及び運転管理の不備に起因するようなものではなく、偶発的に発生したピンホール等からの漏えいと推定される。
漏えいが確認された燃料集合体を炉心より取り出し、健全性を確認した燃料集合体に取り替えるとともに、漏えいが確認された燃料については、再使用しないこととした。 原子炉本体
(燃料集合体)
炉規法
電事法

〔14年度〕
H14. 8.28
(運転中)

B-循環水ポンプ停止に伴う出力低下 定格出力運転中、8月28日10時50分A,B2台ある循環水ポンプのうちB-循環水ポンプが短絡継電器の動作信号により自動停止した。
このため、直ちに原子炉出力を手動にて低下させ復水器真空度が安定した152MW(約92%)で出力を維持した。
この状態でプラントは安定していたが、復水器真空度を通常の状態(約700mmHg)に近づけて安定した運転ができるようにするため、18時から原子炉出力を降下させ、電気出力約100MW(復水器真空度約700mmHg)で出力を保持した。
(警報動作により発見)
(その他)
・B-循環水ポンプの短絡継電器、高圧電源回路について、継電器が動作すると想定される全ての要因について調査を行った結果、高圧電源回路に短絡の痕跡はなく、絶縁性能の低下も認められなかった。また、短絡継電器についても変流器回路や継電器の動作特性に異常はなかったことから、継電器にも異常はなかった。
・しかしながら、継電器の可動接点部が通電に至るような何らかの原因がない限り今回の事象は生じないことから、極めて稀な事象であるが、可動接点部に導電性塵埃等が付着し、一時的に当該接点が通電状態になったことにより発生したものと推定される。
B-循環水ポンプ用の2台の継電器については、塵埃対策を徹底して新品と交換した。
今後の保護継電器の点検等にあたっては、現在行っている塵埃対策に加え、「専用の作業場所の確保」、「機器等の養生」、「塵埃除去の徹底」といった塵埃対策を施すこととし、点検要領書に反映する。
電気設備 科技庁通達


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