第6章 「ふげん」の運転実績

帯

6


発生年月日
件   名
概    要
原    因
対    策
系統設備
報告根拠
H11.2.4
(定検中)
 主変圧器用しゃ断器の損壊
2月4日0時43分、主要変圧器用しゃ断器内に封入されているガス(六フッ化イオウ)の圧力が低下したことを示す警報が発生した。
現場確認の結果、3相あるしゃ断器のうち、C相しゃ断器の主要変圧器側のブッシング(碍子)が破損してしゃ断器内にある導体が抜け出ていることを確認した。
(警報動作により発見)
(設備不備)(製作不完全)
・碍子破損に至ったメカニズムは、以下のとおりと推定される。
破損した碍子は、製造時の焼成不良により水分を吸収しやすい状態であったことから、雨水の浸入により碍子と上部金具とを接着するセメントから溶出したアルカリ分が碍子上端部から碍子内部へ浸透した。
浸透したアルカリ分は、碍子主成分のシリカと反応し、アルカリ生成物に変化し、体積膨張を起こした。(アルカリ・シリカ反応)
この体積膨張に伴い碍子には応力が発生するが、上部金具により膨張が拘束されることから、上部金具下端部付近に過大な応力が加わるとともに、材料強度が低下していたことから破損に至った。
主要変圧器用しゃ断器の碍子を全て新品に取り替える。
起動変圧器用しゃ断器の碍子について念のため超音波検査を行い、健全性を確認する。
しゃ断器損壊の影響により損傷した周辺機器については、補修及び部品の取替を実施した。
碍管の健全性確認のため、コーキングの点検を毎年実施する。また、細密点検(1回/6年)において、碍管先端部の超音波探傷を行う。
電気設備
電事法

H11.3.18
(定検中)

圧力管モニタリング作業中の水漏れ 3月18日19時50分、燃料交換機分解点検後の燃料交換機グラブ昇降試験運転を実施していたところ、「燃料交換プール水位異常」の警報が発生した。
制御盤のグラフィックパネルを確認したところ、燃料交換プール水が燃料交換機を経由して機器ドレンに排水されるラインが形成されていることが確認された。このため、ドレントラップ排水電磁弁をリレー引き抜きにより強制的に「閉」にするとともに、トランスファーポート弁を「閉」にし、燃料交換プールの水位低下を止めた。
交換プールからの排水量は、約1.75m3であり、このうちの約0.33m3が原子炉建屋地下2階床面に漏えいしたものと考えられる。
(警報動作により発見)
(設備不備)(施工不完全)
作動試験要領書の系統状態確認に関する記載が不充分であったため、排水系統の状態及び機能の確認が不充分なまま試験が開始された。
作動試験要領書の中にシーケンサプログラムの変更に関するチェックシートがないため、プログラムが正常に復旧されていないことがチェックできなかった。
作動試験要領書の中にプログラムの変更を伴う試験終了の都度試験前のプログラムとのチェックを行うよう記載されていなかったこと及び作業員がA接点に復帰しているものと思っていたため、プログラムが正常に復旧されていることをチェックしなかった。
スナウト排水ライン電磁弁が「開」の状態でもトランスファーポート弁を「開」にできるインターロックとなっていた。
燃料交換機作動試験要領書の見直し
・グラブ昇降試験前に、スナウト排水系統の機能が正常であることを確認することを記載
・シーケンサプログラム変更、復旧に関するチェックシート追加
・プログラムの変更を伴う試験終了時には、試験毎に変更前プログラムとのチェックを行うよう手順書に記載
・シーケンサプログラムの復旧について確実に確認できるよう、サイクル機構担当者の確認欄を設置
スナウト排水ライン電磁弁が「開」の状態ではトランスファーポート弁を「開」にできないインターロックを追加した。また、スナウト排水ライン電磁弁が「閉」でないとスナウトを上昇できないインターロックを追加した。
 燃料交換装置 科技庁通達


帯
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