第6章 「ふげん」の運転実績

帯

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発生年月日
件   名
概    要
原    因
対    策
系統設備
報告根拠
〔3年度〕
H3.10.28
(運転中)
非常用電源盤(非常用F2-C/C)の停電に伴う工安系待機除外
定格運転中、「非常用D−パワーセンタ補機地絡」の警報が発生し、B−工学的安全防護設備の電動弁の駆動電源である非常用F2−C/Cが停電した。 当該事象が発生したことにより、F2−C/Cから電源の供給を受けているB−工学的安全防護設備の電動弁類を作動させることができなくなるため、B−工学的安全防護設備を待機除外とした。
(警報動作により発見)
(設備不備)(製作不完全)
・停電の原因は、A−ターボ冷凍機の凝縮器ベント管部より漏えいした海水が非常用F2−C/Cにかかったため
・海水漏えいは、A−ターボ冷凍機の凝縮器ベント管の腐食が進行して生じたもの
・C/Cについては、海水による被水を防止するため、海水配管の近傍にある4面のC/Cまわりにバリアを設置
・海水系の点検方法強化えるように改善
電気設備
科技庁通達
通産省通達

H3.11.2
(計画停止中)

燃料交換機の不調 燃料交換作業時において、炉心より燃料体を燃料交換機に収容し、シールプラグを圧力管に装着した後、グラブを下降中に「グラブトルク異常」の警報が発生し、グラブが停止した。
このため、燃料交換機を保守点検室に移動して点検作業を実施した。
本事象発生から、11月4日までに行った復旧操作の過程で、手動操作によるグラブ下降を試みたところ事象が回復したため、11月4日に通常操作により燃料体を使用済燃料貯蔵プールに移送した。
(警報動作により発見)
(設備不備)(製作不完全)
・燃料交換機の動作不良は、上部駆動系3連チェーンタイトナー軸の固着により、スプロケットとの噛み合わせが不良となって、3連チェーンと上部駆動系ベース面とが干渉したため
・3連チェーンタイトナー軸の固着はタイトナー軸とスタンドとの間隙にクラッドが侵入したため
・タイトナー軸とスタンドとの摺動部間に注水を行うよう改造
・上部駆動系ベース面でチェーンと干渉する範囲についてギャップを設けた。
燃料交換装置 炉規法
通産省通達
H4.2.3
(運転中)
B−非常用ディーゼル発電機の待機除外

定格出力運転中、運転員がB-D/G室を巡視点検中に潤滑油サンプタンク上部の液面計フランジ部近傍から床面に潤滑油が漏えいしているのを発見した。
このため、当該ディーゼル発電機を待機除外とし潤滑油を回収した後、潤滑油冷却器の開放点検及び機関の開放点検等を行った結果、潤滑油冷却器の冷却管1本に漏えいが認められた。
また、潤滑油冷却器、清水冷却器の多数の冷却管にも減肉指示が認められた。
(巡視時に発見)

(設備不備)(製作不完全)
・潤滑油が漏えいした原因は、冷却管のピンホールから海水が潤滑油系に混入し、その容積分の潤滑油が潤滑油サンプタンクの液面上昇となったため
・ピンホールの原因は、異物閉塞による局部潰食Mnスケールによる異常潰食によるもの
・潤滑油サンプタンク液面高の警報発信器を本設化
・原子炉補機冷却系の各熱交換器の海水耐食性を向上させるため、当該系統への硫酸第一鉄注入設備を設置
・A・B-D/Gの潤滑油冷却器及び清水冷却器の管束を同材質のものと取替え
非常用予備発電装置 科技庁通達
通産省通達
〔4年度〕
H4.10.18
(運転中)
高圧タービン出口配管からの蒸気漏えいによる原子炉手動停止 定格出力運転中、運転員の定期パトロールにおいてタービン建屋地下1階の天井付近にある高圧タービン出口配管の圧力検出用配管取出部近傍から僅かな蒸気漏えいを発見した。
原因を調査するため、原子炉を手動で停止することとし、同日12時より出力降下を開始し、同日14時10分に発電機を解列した。
現場調査の結果、漏えい箇所は高圧タービン出口配管の非破壊検査用閉止栓(γプラグ)部であることを確認した。
(巡視時に発見)
(設備不備)(製作不完全)
・蒸気流のある環境下でγプラグの材質、蒸気の湿り度等が起因となって生じたエロージョン・コロージョンによるもの
・当該プラグ及び当該プラグと同一の使用条件下にあるプラグについて、材質及び形状を変更したものに取り替え
・今後は、配管の肉厚測定において、測定箇所にあるγプラグについても減肉の有無を確認することとした。
・配管材料と比較して耐食性が劣る材料を使用しているγプラグについては、第11回定期検査以降順次取り替えていくこととした。
タービン設備 炉規法
通産省通達


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