第6章 「ふげん」の運転実績![]() |
第 6 章 |
表6.1.1 「ふげん」の事故・故障等の概要(法律、通達、行政指導対象)(平成15年3月末現在) |
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発生年月日
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件 名
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概 要
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原 因
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対 策
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系統設備
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報告根拠
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〔54年度〕
S54.7.9 (出力上昇中) |
「蒸気ドラム水位低低」による原子炉自動停止
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原子炉の出力に合わせて主給水流量調節弁の手動操作により蒸気ドラム水位を調整していたが,電気出力約36MWで蒸気ドラム水位が低下し,「A蒸気ドラム水位低低」により原子炉が自動停止した。 |
(その他)
・主給水流量調節弁の手動操作中における出力上昇速度が早すぎたため,主蒸気と給水の不整合が生じて蒸気ドラム水位が異常に低下し原子炉が自動停止した。 |
・原子炉の出力上昇率の目標を従来の0.2〜0.3%/minから0.2%/minとするとともに、安定な操作に努めるように運転手順を見直した。 |
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科技庁行政指導 |
〔55年度〕 |
燃料交換装置の不具合 | 昭和55年度の計画停止での燃料取替中、シールプラグを引抜く際、燃料交換装置のグラブトルクが変動した。(操作時に発見) |
(設備不備)(製作不完全) ・燃料交換装置のグラブ昇降装置軸受部へのクラッド付着 |
・上部駆動部を分解点検し、ベアリングを取り替えた。・燃料交換装置の点検頻度を見直した。 ・駆動部の洗浄ラインの増設を行った。(第2回定期検査時に実施) |
燃料交換装置 | 電事法科技庁行政指導 |
S55.7.19
(計画停止後の 出力上昇中) |
原子炉給水系第2B給水加熱器故障による原子炉停止 |
電気出力約40%で運転中、原子炉給水系第2B給水加熱器の「水位高高」の信号によりタービントリップし、原子炉が自動停止した。(警報動作により発見) |
(保守不備)(保守不完全) ・当該加熱器の水位検出スイッチ(フロート式)の下部導通管が錆等により閉塞し、上部導通管からの凝縮水が水位検出スイッチ内のフロートを押し上げたため |
・定期検査時に計装配管のエアーブロー等により、閉塞防止を図る。 ・作業時計装配管等に堆積した錆等が系内に入らないよう作業方法、手順等を明確にした。 |
原子炉冷却系統設備 | 炉規法 電事法 |
S55.7.23
(事故停止後の 出力上昇中) |
「蒸気ドラム水位高高」によるタービントリップ、原子炉自動停止 | 電気出力約40%で制御棒パターン形成中、出力が低下したため出力を維持するよう操作していたが蒸気ドラム水位が上昇し、タービントリップにより原子炉が自動停止した。(操作時に発見) |
(設備不備)(製作不完全) ・出力の低下は、引抜操作をしていたL制御棒4本のうち1L制御棒1本がモータ電源の1相欠相により、挿入されたため・蒸気ドラム水位上昇は、出力低下が発生した後の回復操作において、出力変化が大きすぎたため |
・異常事象が発生した制御棒駆動装置を同一仕様のものと取り替えた。 ・制御棒駆動用電動機電源に欠相検出器を追加した。 ・今回のような異常出力変化時の操作方法を運転手順書に反映した。 |
計測制御系統設備 | 炉規法 電事法 |
S55.11.18
(計画停止中) |
冷却系配管の異常 |
計画停止中の主要配管の点検により余熱除去系配管の溶接部近傍にひび割れ(応力腐食割れ)を発見した。(停止時の点検により発見) |
(設備不備)(製作不完全) ・オーステナイト系ステンレス鋼の高温純水中における粒界応力腐食割れ |
・余熱除去系、低圧注水系、高圧注水系の原子炉冷却材圧力バウンダリを構成する配管(SUS304)を応力腐食割れの起こりにくい原子力用SUS316系鋼管に取り替えた。 ・原子炉冷却材圧力バウンダリの配管に対する「応力腐食割れ対策計画」を策定 |
原子炉冷却系統設備 | 炉規法 電事法 |
S56.2.18
(計画停止中) |
燃料交換装置の故障 |
燃料取出中、シールプラグを引き抜くため燃料交換装置のグラブを上昇させたところ、グラブ昇降装置チェーン取付台のグラブ昇降ガイド用ローラ軸が突出したため、グラブトルクに異常が発生した。(操作時に発見) |
(設備不備)(施工不完全) ・ガイドローラ軸の廻り止め用止めネジの締付不足 |
・ガイドローラ軸の廻り止め機構を改良した。 ・工場組み立て検査方法の見直し及び品質管理の徹底を図った。 |
燃料交換装置 | 炉規法 電事法 |
〔56年度〕
S56.5.27 (定検中) |
重水循環ポンプのモータ固定子キャンの溶接部ひび割れ | 第2回定期検査中の重水循環ポンプBの分解点検時、モータ固定子キャンの溶接部にひび割れを発見した。 | (設備不備)(製作不完全)・溶接時の微小なブローホールが進展し、ひび割れが発生したもの | ・固定子キャンを再製作・固定子キャンの溶接は十分な溶接管理及び検査を行い、ブローホール欠陥のないように改善した。 | 原子炉補助系統設備 | 科技庁通達 通産省通達 |
S56.5.28
(定検中) |
固形化供給タンク蒸気配管取付部のひび割れ | 第2回定期検査時に固形化供給タンクを点検中、蒸気配管取付溶接部に水のにじみが発見され、浸透探傷検査を行ったところ、ひび割れを発見した。(粒内型応力腐食割れ) | (設備不備)(製作不完全) ・固形化供給タンク内の廃液中に含まれる塩素イオン等による粒内応力腐食割れ |
・欠陥部分の材料をSUS304から耐応力腐食割れに優れたSUS316L材料に取り替え。 ・蒸気配管取付部の構造を改良・腐食作用を低減させるためタンク内の廃液温度を低下させた。 |
廃棄設備 | 科技庁通達 通産省通達 |
S56.6.11
(定検中) |
非再生熱交換器の伝熱管の漏洩 | 第2回定期検査時に原子炉冷却材浄化系の非再生熱交換器Aの伝熱管のヘリウムリーク試験を実施した結果、伝熱管の漏えいを発見した。 | 設備不備)(製作不完全)・伝熱管拡管終端部のすきま腐食によるもの | ・異常が発見された伝熱管への閉止栓を取り付け。 ・定期検査において漏洩検査等を行うこととした。 |
原子炉冷却系統設備 | 科技庁通達 通産省通達 |
S56.6.17
(定検中) |
遮蔽冷却系熱交換器の伝熱管の漏洩 | 第2回定期検査時に遮蔽冷却系熱交換器の伝熱管のヘリウムリーク試験を実施した結果、伝熱管の漏えいを発見した。(補機冷却水側からの腐食) | (設備不備)(製作不完全) ・補機冷却水の防錆効果の不足により腐食が発生したもの |
・ヘリウム漏えいの発見された伝熱管及び腐食の認められた伝熱管に閉止栓を取り付け ・防錆剤の濃度変更 ・第3回定期検査時にSTB35からSUS304の管束に取り替えた。 |
原子炉本体関係 | 科技庁通達 通産省通達 |
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