第4章 「ふげん」機器の試作開発

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図4.3.9 Xeホールドアップ試験結果


図4.3.10 過渡応答試験結果

あり、その放射能の減衰は、入口濃度の約1/160に達していた。
過渡応答試験6)
 希ガスホールドアップ装置を原子炉の排ガス処理系として採用する場合、何らかの原因で定常条件を逸脱する事象を想定し、その場合でも安定に作動するかを確認する必要がある。すなわち、排ガス流量や活性炭吸着塔温度、ガスの湿度などが急激に増加すると、活性炭の希ガス保持性能が低下し、吸着塔出口の放射能が増加することになる。このような影響を検討するために実用規模装置を用いて過渡応答試験を実施した。
)温度上昇
 冷凍機の冷媒の流れを停止させて、活性炭層の温度を0℃から15℃に昇温させた。この場合、図4.3.10(a)に示すように、一度、希ガスの脱着が生じるので、最大値を経て平衡値に落ち着いていく。この場合は、一般的な漸近的変動であり、希ガス進行速度の変化と希ガスの脱着は、微少時間と吸着塔の微少区間における変化で計算し、総和を求めることで解析値が得られることが分かった。図4.3.10(a)が、その解析値と実測値の対比である。
)流量増加
 温度15℃の条件下でガス流量を12Nm3/hから24Nm3/hにステップ状に増加した場合、徐々に放射能が増加し、最大流量で一定値に達する。そこで、ステップ状に増加した領域と、増加以前の領域に分けてそれぞれの区間の希ガス進行速度を求めれば、吸着塔出口の放射能が計算できることが分かった。図4.3.10



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