第4章 「ふげん」機器の試作開発![]() |
第 4 章 |
とスイング装置及びトランスファーシュートについて実規模装置を試作し、写真4.2.2に示すように燃料交換装置試験装置架台の横に設置した。なお、実機ではこれらの装置は、燃料交換プールの水中に設置されているが、本試作試験は気中で行い、試験時に水をスプレーして水中機器の作動条件を模擬した。 この試作試験装置で、各装置の作動試験、模擬燃料を使用した燃料移送試験等を行った。試験では、約1,000回の移送試験、トランスファーシュートが最大8mm偏心した状態での試験等を行い、その機能及び耐久性等を確認した。また、最後に、燃料を入れたトランスファー容器が、誤動作で落下した場合を想定した落下試験を行い、トランスファー容器下部に取り付けられている衝撃緩衝装置が正常に機能し、燃料に大きな損傷を与えないことを確認した。これらの試験結果を反映して実機燃料移送装置を製作し、燃料交換装置とともに「ふげん」に据付け、昭和53(1978)年3月の燃料初装荷に使用された。 参考文献 1) 動力炉・核燃料開発事業団:“新型転換炉原型炉「ふげん」燃料交換装置の開発”、動力炉技報、No.16、(1975) 2) 動力炉・核燃料開発事業団:“ふげん燃料交換装置の開発と運転実績”、動燃技報No.54、(1985) 3) 動力炉・核燃料開発事業団:“ふげん燃料移送装置の開発”、動力炉技報、No.11、(1974) 4.3 希ガスホールドアップ装置 4.3.1 はじめに 沸騰水型原子力発電所(BWR)から放出される気体廃棄物として主なものは、タービン復水器空気抽出器からの排ガスとタービン衛帯蒸気復水器からの排ガスがある。復水器空気抽出器からの排ガスは、排ガス予熱器で加熱され、触媒型再結合器で、排ガス中の水素と酸素を結合させて水に戻し、この水を気水分離器で除去してから高性能フィルタで処理し、建屋の換気で希釈して排気筒から大気に放出する。昭和46(1971)年当時のBWRの復水器空気抽出器からの排ガスは、上述の再結合器で処理したあと、排ガス圧縮機で圧縮し、排ガス貯留タンクに24時間貯留して排ガス中の放射能を減衰させてから排気筒を通して大気へ放出していた。この方法での希ガス放出量は、国が定める放出基準値の10分の1以下に抑えることは可能であったが、環境保護の観点から、環境への負荷をより一層厳しく抑制することが望ましかった。従来の貯留タンク方式で、この方 |
針に対応するためにはタンク容量を大きくするか、タンクへの注入圧力を高くしなければならず、設置上の制約を受けることになる。 |
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