第4章 「ふげん」機器の試作開発

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図4.1.2 管内圧破裂試験片

図4.1.3 リング引張り試験片と荷重装置

 このうち、3点曲げ試験片は、監視試験片としても採用されており、脆性破壊評価手法の審議の過程で、Kc値を求めるために特別に工夫した試験片である。
 この3点曲げ試験片のKc値から、対応する圧力管の限界き裂長さを求め、不安定破壊に対する評価を行うことができる。
 上記試験のデータを基に作成したものが、圧力管の不安定破壊に対する評価線図である(図4.1.4)。この図の完成に脆性特性研究の成果が凝結されたと







写真4.1.1 切欠き3点曲げ試験

いえる。圧力管は、30年の寿命末期までに約210ppmの水素を吸収すると予想され(現在の知見では100ppm以下)、このときの材料のKc値は、室温で約80kg/mm3/2、原子炉運転時の使用温度で約350kg/mm3/2という値をとる。仮に圧力管内面に全長にわたるき裂が付いたとしても、その深さが1.7mmに達しなければ、圧力管の許容応力まで圧力を加えても不安定破壊を起こすことはない(図中の点線がこの関係を示している)。原子炉運転状態では、これが、肉厚のおよそ80%になっても不安定破



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